当文書を読む大前提(ルール文書準拠)

・代用カード(プロキシー)はヘッドジャッジだけがそのイベント中にのみ有効なものを作成できる。それ以外に代用カードは存在しない。
・オラクルは英語しか存在しない。日本語のオラクルを求めても無いと言われる。


Tournament Tuesday
多言語カードと拡張カード

(原文:http://blogs.magicjudges.org/rulestips/2016/11/tournament-tuesday-foreign-and-altered-cards/


 ルールTIPSへようこそ。本日のTournament Tuesdayは、多言語やミスプリント、拡張カードについて、そういったカードをイベントでどう使うか、そしてイベントで実際に出くわした時にどうすればいいかを話していこう。

 まずはミスプリントからだ。マジックのカードの品質管理はおおむね素晴らしいが、時々すり抜けてしまうものがある。
 リミテッドのイベントでミスプリントカードがパックから出てきたら、ジャッジを呼んでどうすればいいかを聞くのが最善だ。ミスプリントの度合いによって、そのまま使っていい時もあるし、ヘッドジャッジが代用カード(プロキシー)を発行することもあるだろう。もし代用カードを発行されたなら、そのイベント中でのみ使えるということを覚えておいてほしい。他のイベントで使ってはいけないのだ!
 ミスプリントのカードを構築イベントで使う場合、それもミスプリントの度合いによって扱いが異なる。あまりにも混乱や誤解を招かない限りそのカードは使えるだろうが、それはヘッドジャッジの判断次第である。イベントが始まる前に確認を受けた上で、可能な限りミスプリントでないものを用意しておこう。


 続いて、拡張カードについてである。
扱いとしてはミスプリントに似ているが、ミスプリントよりも意図的に装飾がされている。
拡張カードのベースラインは

・カード名とマナコストが曖昧になっていてはいけない
例えば《呪文狂いのアウフ/Spellwild Ouphe(FUT)》を拡張アートで《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》にしてはいけない。

・表面(イラスト面)が見えない時に他のカードと区別がついてはいけない
アートによって重くなっていたり厚くなっていたりしてはいけないのは当然だ。

・大抵の人がイラストを認知できなければならない
マジックのカードを認識する際、特にテーブルの向こう側から判別する手段はほぼカードのイラストなのである。

 カードのテキスト部分を新しいアートで完全に覆ってしまうことはなにも問題ない。見てなんのカードかわかって、カード名とマナコストさえはっきりとしていれば、だ。なぜかって?それは最後の項目で説明しよう。


 最後は多言語カードだ。
マジックはたくさんの言語で印刷されており、カラデシュだけでも11の言語がある(英語、簡体字中国語、繁体字中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語)。
 私はマルチリンガルではないため、この内1.5ヶ国語分くらいしか読むことができない。ありがたいことに、マジックのカードは全て英語でオラクルが印刷されているものとして扱うのである。もし知らないカードがあったとしても、認定されたトーナメントならジャッジにオラクルを聞けばいい。これは拡張アートのイラストを認識できるように取り締まるもう一つの理由である。どのような言語の《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》でもイラストは同じなのだ。
 ルール適用度が一般の大会(FNMや、ゲームデー、地元のお店の普通の大会)ではオラクルが共有情報のため、もし多言語や拡張カードを使っているプレイヤーが対戦相手にオラクルを聞かれたら答えなければならない。
 ルール適用度が競技の大会(グランプリ初日、プロツアー予備予選、それらに準ずるイベント)ではオラクルが類推情報となるため、対戦相手に聞いても相手に答える義務はないし、答える場合にはそれが真実である限り不完全な情報を伝えてもよい。なので競技的なイベントでは、ジャッジを呼んでオラクルを確認し、見落としがないか確かめるべきなのだ。我々ジャッジはイベント内、およびイベント外でもリソースであることを覚えておいて欲しい。

この文章はTrevor Nunezにより執筆された。
(翻訳:AOKI Chikara)
http://bit.ly/iLJYkP
まだ途中ですけれども。
フィクションでっす。

引き続きぼしうちうです。
http://mogemoge.diarynote.jp/201106041720512052/
打ち切りやした
原文:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpmad10/welcome#24

昨シーズン、チェコ共和国とドイツはヨーロッパにおけるグランプリサーキットで最も成功した国の二つだ。
チェコは6人のTop8、ドイツは11人のTop8と3人の優勝者を排出した。
2010年ヨーロッパ最初のグランプリの決勝はその二つの国によって争われることになった。

リアニメーターの対ANTはブッパできることにワンチャンありそうだ。
ANTの方が速度は速いが、リアニメーターには《FoW》、《目くらまし/Daze》、《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》と妨害する手段が沢山入っている。

Do Anhの《渦まく知識/Brainstorm》、Muller の《思考囲い/Thoughtseize》から決勝第1ゲームは始まった。
《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》と《水蓮の花びら/Lotus Petal》が2枚ずつ、《冥府の教示者/Infernal Tutor》、《思案/Ponder》が公開され、《思案》が落とされる。

2ターン目。
そう2ターン目にDo Anhが仕掛ける。
2枚の《花びら》、フェッチランド、1枚目の《陰謀団の儀式》でスレッショルド達成。
2枚目の《陰謀団の儀式》で暴勇の条件も満たす。
《冥府の教示者》で《むかつき/Ad Nauseam》を持ってきて黒1マナが浮いた状態でインスタントがプレイされる。

《花びら》が2枚、《陰謀団の儀式》、《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》が2枚、《強迫/Duress》、《冥府の教示者》と続けてプレイされる。致死量の《苦悶の触手/Tendrils of Agony》には十分だ。デッキに入ってれば、ね。

「見せた方が良い?」ライブラリに手を伸ばしながら尋ねるDo Anh。
「《苦悶の触手》だよね?」肩をすくめるMuller 。
「いや結構」


Andreas Muller 0 - 1 David Do Anh


決勝の第4ターンはMüllerのものとなる。
つまり第2ゲームはMuller が先手だ。
《入念な研究/Careful Study》をプレイしたMuller は入念に考え始める。《エメリアの盾、イオナ》と《実物提示教育/Show and Tell》を引いたからだ。
結局《納墓/Entomb》と《墨溜まりのリバイアサン/Inkwell Leviathan》を捨てることにした。
《金属モックス》(《神秘の教示者》を刻印)、《Tropical Island》、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》とプレイしたDo Anhの1ターン目は上々だ。
Muller は《独楽》を《FoW》し、《実物提示教育》を追放する。

2枚目の《入念な研究》がプレイされ、《教育》がなくなったので《イオナ》を捨てるMuller 。
お互いの2ターン目はこれ以外に特に動かず。
3ターン目も何も無いまま終わるかと思われたが、Do AnhのエンドステップにMuller が《渦巻く知識》、《神秘の教示者》と続けて《囲い》を用意する。
《囲い》に対応して《神秘の教示者》のDo Anh。持ってくるのはデッキにその名を冠する《むかつき》。
《囲い》は《暗黒の儀式》を落とすが、《陰謀団の儀式》と《花びら》が1枚ずつ残っている。

Do Anhのエンドステップにタップアウトして《知識》を打つMuller をDo Anhが制する。
「《陰謀団の儀式》ってソーサリーだよね?」Muller が聞くが当然No。
《儀式》から《むかつき》がプレイされる。
Muller は笑っているが動揺を隠せないまま《むかつき》の解決を見守っている。
12点分のカードがDo Anhの手札に加わり、やっとこさMuller の《知識》が解決される。
4枚の土地、4枚の《知識》、2枚の《脅迫》がディスカードステップに捨てられる。
手札がどれだけ良いものかは想像するまでも無い。

Muller はまだガス欠になっていなかった。
《再活性/Reanimate》で《イオナ》を釣りあげ、指定は青。
青の指定はDo Anhにワンチャンス与えることになるものの、ドローとサーチを禁止することにした様だ。
Do Anhが青指定の《イオナ》に退場頂くにはたった1枚の《殺戮の契約/Slaughter Pact》が必要になる。
《脅迫》でMuller の2枚ある《呪文貫き/Spell Pierce》の片方が落とされる。
落とされなかった方はDo Anhの《陰謀団の儀式》に使われてコンボを1ターン遅らせる。
その1ターンで、《イオナ》が残った4点のライフを奪い去っていく。


Andreas Muller 1 - 1 David Do Anh


決勝戦最後のゲームはDo Anhの《独楽》、Muller の《入念な研究》(《イオナ》と土地をディスカード)から始まる。
アップキープに《独楽》を回し、フェッチランドを置いてターンを返すDo Anh。
同じ様にアップキープに《神秘の教示者》でライブラリを操作するMuller 。持ってくるは《思考囲い》。
《囲い》に対応し、《神秘の教示者》で《むかつき》を、再び。

《囲い》で公開されたカードを見てMuller は顔をしかめた。

《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》2枚
《花びら》
《冥府の教示者》

Do Anhはもうコンボを始められる!
相当に悩み、LEDが墓地へ。

アップキープに《独楽》を回して《むかつき》を引かないようにするDo Anh。
《花びら》、LED、3枚目の土地を置き、LEDをマナに変えた後、《独楽》で《むかつき》を引く。

Muller からの《目くらまし》は《花びら》でかわし、《むかつき》が始まる。
マナは残っていないが、ライフが19あるので大丈夫だろう、と誰もが思った。


カード名 残りライフ
《独楽》 18
《霧深い雨林/Misty Rainforest》 18
《不正利得/Ill-Gotten Gains》 14
《暗黒の儀式》 13
《汚染された三角州/Polluted Delta》 13
《神秘の教示者》 12
《Underground Sea》 12
《思案》 11
《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》 10
《暗黒の儀式》 9
《オアリムの詠唱》 8
《陰謀団の儀式》 6
《冥府の教示者》 4


めくれたカードでは未だ1マナも生み出せない。
マナを探すために《むかつき》を続行するしかないDo Anh。
めくれたカードは・・・《苦悶の触手/Tendrils of Agony》!
これでライフは0だ!
勝敗は決した!
対戦相手を倒すはずのカードが自身に向かってきたDo Anhは椅子に崩れ落ちてしまった。
両手を大きく掲げて喜び、信じられないといった面持ちのMuller を観客の爆発的な歓喜が包んでいく。

おめでとうAndreas Muller。
史上最大のマジックトーナメントチャンピオン!
原文:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpmad10/welcome#22


昨日と今日の2日間、Richard Blandは動きの悪いデッキを倒し続けてきた。
ズーというデッキは相手のミスやしくじり、ちょっとしたつまずきを貪り続ける。
対戦相手のAndreas Müllerには爆発的なリアニメイト戦略がある。
墓地に落としたものを釣りあげて、ズーを墓場に送りこめてしまう。
しかもものすごく速く。

両者マリガン無し。
ミュラーは先手にも関わらず何もしないで終わり。
そう、準決勝の最初のターンをドイツ人は土地を置かずに終えた。
ただしリアニメイターにとっては天の恵みなのかもしれない。
Blandが《野生のナカティル/Wild Nacatl》を出した次のターン、Müllerは《鋼の風のスフィンクス/Sphinx of the Steel Wind》をディスカードする。
《ナカティル》の攻撃の後、《密林の猿人/Kird Ape》と《Chain Lightning》がプレイされミュラーは残り14。

とうとうMüllerは《汚染された三角州/Polluted Delta》を引き、《Underground Sea》をフェッチ。
《再活性/Reanimate》が《スフィンクス》を戦場に戻すとMüllerのライフは5になる。
《Chain Lightning》・・・残り2。《稲妻/Lightning Bolt》は?《FoW》!
Müllerは残り1。
ゾクゾクするね。
これぞマジック! 
Blandは火力をもう1枚持ってるかな?

「おしまい」

この単語がMüllerにとっていかに甘美な響きだったろうか。
《スフィンクス》パンチでMüllerは7まで回復。ここからBlandが勝つのは厳しい。
Blandのターンエンドに《渦まく知識/Brainstorm》を打つMüller。
6/6、飛行、先制攻撃、警戒、絆魂、プロテクション(赤)と(緑)がテーブルを支配していることに変わりはない。

Blandが6になりMüllerは12まで回復。もはや一方的な展開。
ライフが1になり、素早く場を片づけるBland。


Andreas Müller 1, Richard Bland 0


「惜しい。惜しいんだよなぁ」
そう言ってマリガンするBland。

《猿人》と《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》を出してゲーム開始。
《墓所》は墓地を使うデッキに対してとっても有効だ。
Müllerは《入念な研究/Careful Study》を使って土地と《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》を落とす。
《猿人》が1/1なので全く驚異じゃない。
《Chain Lightning》でMüllerは16。このターン15になると思っていたけど予想外だ。
「強いっしょ」
ポーカーフェイスのBland。

《再活性》に対応して《トーモッド》を使うしかないイングリッシュマン。ドイツ人の墓地は空に。
1/1の《猿人》がアタックしまたもや《Chain Lightning》。怪しげなビートダウンでMüllerは12。
《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》が1/1軍団に加わる。
マリガンしたBlandの手札は残り2枚。

フェッチランドでライフを一桁に落としたMüllerは《実物提示教育/Show and Tell》をプレイ。
Blandは《森の知恵/Sylvan Library》、Müllerは《浄火の大天使/Empyrial Archangel》を戦場に送り込む。
天使は飛んでいる。
天使は被覆持ちだ。
天使はパワー5である。
ここからが重要。天使はタフネスが8でダメージを引き受けてくれる。
あえて言おう。イカしてると。

Blandはまだまだ諦めない。
《森の知恵》に4点払って手札にカードを加え、手札は3枚。
《大天使》のアタックでライフは11。
Müllerはアタックしただけ。場を支配しているように見える。
今まで《森の知恵》はBlandを何度も助けてくれたが、今回も間に合っただろうか?
《森の知恵》に8点払って引いたカードを全部手札に入れる事も、より好みをして残り7点にする事も、重要な1枚を残して11点のままにする事もできる。
ここからが実際に起きた事。《猿人》がアタックし、返しに《大天使》パンチで6になる。
Müllerの残りライフは9だが、《大天使》がいる限り無限にも等しい。
Blandは手札に腐っていた《流刑への道/Path to Exile》を《猿人》に使い、土地を増やしてライブラリをシャッフルし《森の知恵》で活路を見出そうとする。

《Chain Lightning》は?解決。
《稲妻》は?解決。
《溶岩使い》の能力は・・・解決!

天使、墜ちる!墜チる墜ちルヲちる お+ち+る=墜ちる

Müllerは《死体発掘/Exhume》。

《Chain Lightning》をあなたに。
《稲妻のらせん/Lightning Helix》をあなたに。
《溶岩使い》の能力をあなたに。

天使、墜ちる!
いやまぁ実際には墓地に置かれただけだけど。

Müllerは《死体発掘/Exhume》。Blandは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をプレイ。なんぞこれ・・・

Müllerは《教示者》で《誤った指図/Misdirection》をサーチ。
Blandはまだまだ死なず。とはいうものの生命維持装置が付いてるような状態。
《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》で《森の知恵》を割って《タルモゴイフ》を太らせ、《溶岩使い》で三度天使を墜とす。

西の魔女が死んだぞー!

観客は気が触れた様に騒いでる。
合計24点ものダメージが天使に加えられ、Müllerはやる気が無くなっているように見える。無理もないが。
Blandの手札は空だが戦場にすごく・・・大きな《タルモ》とサイズだけはかわいい《溶岩使い》が控えている。
《溶岩使い》用に《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》を墓地に送っておく。

《非業の死/Perish》でタルモは死ぬが、《溶岩使い》の能力で勝利への道を歩みだせる。
Müllerは《入念な研究》でもう打つ機会のない《再活性》を2枚捨てる。
Blandがフェッチでデュアルランドを持ってきて残りは2。《溶岩使い》の能力でMüllerは7。
信じ難い。まったくもって信じ難い。

《溶岩使い》弐号機を呼び寄せるBlandに対し、《納墓》で《鋼の風のスフィンクス》を埋めるMüller。
墓地のカードが追放されてMüllerのライフは5。
Blandは《タルモゴイフ》をトップしてプレイ。対応してMüllerは《神秘の教示者》で《死体発掘》をトップに。
《タルモ》は解決され、Blandは慎重に考える。イケてる天使と4度目の遭遇は避けたい。
《溶岩使い》が両方ともアタックでMüllerは3。

《死体発掘》を引いたドイツ人。残り3点のライフの内減らしていいのは2点だけ。
6重にも重なった観衆はこのイギリス人の抵抗を目撃するために集まったのだろう。
《死体発掘》はBlandに《タルモ》を、Müllerに《スフィンクス》をもたらす。
ターンが返され、観衆は息を飲む。

《タルモ》2体、《溶岩使い》1体でのアタック。
スフィンクスで6点回復するが、ブロックされなかったタルモが6点をすぐに取り返す。
《溶岩使い》でもう1点上積み、攻撃に行かなかった方がBlandの墓地にある最後の2枚を追放する。
マジック史上最も奇跡的な逆転が完了する。


Andreas Müller 1, Richard Bland 1


イカれてるね。


第3ゲーム、Müllerは初手をキープ。
何でまだ準決勝をプレイしているのか、何で決勝が始まるのを待ってるわけじゃないのかを不思議に思っているだろう。
一方のBlandは初手をライブラリに戻し、素晴らしい第2ゲームにもかかわらず、リアニメイトに対して後手がいかに不利かに気づいているようだ。
観衆がまだザワついている中、Müllerが土地を置く。
Blandは《トーモッド》から始める。少なくとも時間を稼ぐ事は出来るはずだ。
《野生のナカティル/Wild Nacatl》に対応して、Müllerは《神秘の教示者》で《渦巻く知識》を引っ張り《ナカティル》は《目くらまし》。
ターンが行って帰ってBlandの《クァーサル》に《知識》で対応するMüller。
カウンター?もしくはタップアウトしたから何かインスタントを使う?
《目くらまし》再び。
これでBlandの戦場にクリーチャーはなく、Müllerには全く何もなし。

Müllerは2枚目の《教示者》でBlandの心拍数を上げる《実物提示教育》をもってくる。
2枚目の土地を置いてターンを返すが、気になるのはBlandの動きが無い点だ。
《タルモ》が《FoW》でカウンターされる。追放されるは《目くらまし》。
3枚目の土地を置くMüller。ところが《教育》できない。
Blandはまたもや何もせず。大観衆は色々と想像してるだろう。

《入念な研究》がライブラリーを掘り進み、2枚の土地が捨てられてお終い。
昔々に置かれた《トーモッド》があるので、ウルザズ・サーガの青いレアで墓地を迂回する気満々のドイツ人。
《知識》で3枚引く音がはっきりと聞こえる位静まりかえってる。
Blandが何もしないでターンを終え続けているので、何が手札にあるのか気になるところ。
土地だけ、っていうのが最も明白で最も期待外れだが、彼は週末を通して負けない能力を発揮している。

土地が3枚のMüllerが3つの単語を発する。

Show and Tell

Müllerは《鋼の風のスフィンクス》を。
Blandは《山》を。

差がありすぎるだろ・・・

返しのターンに《溶岩使い》を出すBland。
「土地だけ」が現実味を帯びてきた。

BlandがMüllerに向けて送りこんだものはゲーム序盤に全てカウンターされてしまった。
そして今、Müllerは決勝に向けて強固な橋頭保を確立した。
Blandのライフは10。Müllerは23。
《再活性》がBlandの《タルモ》を蘇らせ、ドイツ人は2点のライフを失って21。

《ナカティル》ではもはや意味をなさない。
Blandのライフは4に落ち込み、釣られた《タルモ》は破壊するが《流刑への道/Path to Exile》をとってもとってもとーっても渇望する。
《タルモ》をプレイしてターンを終えるBland。
Müllerのアップキープに《稲妻のらせん》で何とか生きながらえるが、相手の30点のライフに対し1点まで落ち込んでしまう。

盛者必衰。
Blandが《流刑への道》を待ち続ける苦しみの時間は終焉を迎える。
史上最大のマジックイベントは決勝戦を残すのみ。
今まで行われた試合はこの準決勝に負けず劣らず素晴らしいものだったはず。

Andre Müller 2 - Richard Bland 1
原文:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpmad10/welcome#21

GP マドリードの準決勝はANTのミラーマッチをお送りする。
デッキは非常に似通っている反面、プレイヤーは対照的だ。
斎藤友晴はPotYやプロツアーでの活躍で有名だが、チェコから来た16才のDavid Do Anhは全くの無名だ。

それでもDo Anhには有利な点があって、それは彼が使っているデッキで残した記録にある。
Do Anhは今まで3度のレガシートーナメントに出場し、3度ともANTを使って優勝した。
彼はANTを熟知しており、このGPもスイスラウンドを2位で駆け抜けてこの場にいる。


ダイスロールに勝った斎藤がテイクマリガン、《Underground Sea》から《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を置く。
Do Anhは《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》を置くだけで何もせず。

第2ターンを迎えてすぐにゲームを終わらせるための計算を始める斎藤。
小考の後アップキープに《独楽》を回す。
結局《岸辺》を置いておしまい。
エンドステップに《岸辺》で《Tundra》を持ってくるDo Anh。
《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》があればいつでも斎藤の行動を妨害できるので白マナは重要だ。
斎藤のデッキに《詠唱》は入っておらず、露払いは手札破壊に頼るしかない。

《Underground Sea》を置いて《独楽》をプレイするDo Anh。
コンボ始動の前準備ということだろう。
ストームデッキで勝つにはこういった事が必要なんだ。
最初に動いたのは斎藤。
《神秘の教示者/Mystical Tutor》から《むかつき/Ad Nauseam》を引っ張り、《独楽》で《むかつき》を引く。
《暗黒の儀式/Dark Ritual》に対応してDo Anhの《詠唱》が飛ぶ。
このターンの嵐は静まった。

斎藤の砲撃をさばいたDo Anh。今度は彼が動く番だ。
《独楽》を回し、フェッチランドを使い、《渦まく知識/Brainstorm》を打ってコンボパーツを集める。
シャッフルで欲しいカードは見つからず、《神秘の教示者》が《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》を引っ張ってくる。スレッショルドしてるのでマナがすげー沢山出る。
2枚の《陰謀団の儀式》から8マナ、そして《むかつき》がライブラリトップをめくっていく。

《暗黒の儀式》
《不正利得/Ill-Gotten Gains》
《暗黒の儀式》
《詠唱》
《暗黒の儀式》
《拭い捨て/Wipe Away》
《神秘の教示者》
《強迫/Duress》

フェッチランドを何度か使っているので、この時点でDo Anhのライフは4。

「チャーンス!」と斎藤。
Do Anhは《むかつく》のを止めて《暗黒の儀式》タイムスタート。
チェコの16才はマナとストームを積み上げ、《脅迫》で斎藤の《むかつき》を落とす。斎藤の手札に残るは《冥府の教示者/Infernal Tutor》と《水蓮の花びら/Lotus Petal》のみ。
《神秘の教示者》が《苦悶の触手/Tendrils of Agony》を積み、独楽でそれを引く。

《冥府の教示者》がストームを稼ぐためにプレイされ、致死量になった《触手》が斎藤へ。


斎藤友晴 0 – 1 David Do Anh


サイドボード後はお互いに《サディストの聖餐/Sadistic Sacrament》があるので、打てれば相手の勝ち手段を取り除いてしまえる。そうなったら《闇の腹心/Dark Confidant》ビートしか決着をつけられなくなる。

先手の斎藤が《霧深い雨林/Misty Rainforest》を置いてターンを返す。
Do Anhは《Tropical Island》から《思案/Ponder》。
エンドに《Underground Sea》をフェッチした斎藤は2ターン目に《腹心》を。
ビートダウンプランktkr!

Do Anhも《Sea》をフェッチし、《金属モックス/Chrome Mox》を出して《神秘の教示者》を刻印する。
さらに《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》をプレイ。
斎藤はもう笑ってる。このターンに負けちゃうかもね。
Do Anhは《冥府の教示者》に対応してLEDを生贄に捧げる。
黒4マナが浮いており、《むかつき》が手札に。
《Tropical Island》が5マナ目となり、めくれていくのは・・・

《陰謀団の儀式》
《渦まく知識》
《神秘の教示者》
《根絶/Extirpate》
《花びら》
LED
《独楽》
《Tundra》
《暗黒の儀式》
《暗黒の儀式》
《不正利得/Ill-Gotten Gains》

さらに何枚かのカードがめくれ、ライフが1になったところでストップ。
マナとストームが膨れ上がり、《不正利得》で墓地の《触手》が手札に舞い戻る。
斎藤は何もできず、致死量の《触手》の前に膝を屈した。

斎藤友晴 0 – 2 David Do Anh
原文:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpmad10/welcome#20

斎藤はTop8インタビューで、ANTにとって唯一相性が悪いのがCTGであると語ってくれたが、これから対戦する相手はまさにそのCTGだ。
理論上の相性の良さがほとんど慰めにならない事は、この超大型トーナメントのTop8の中で最もベテランのRuben Gonzales Parradoが一番わかっている。


斎藤がダイスロールに勝ったうえ、Parradoがマリガンして6枚に。
渋面で6枚をキープしたParradoを見て斎藤はどう動くかを考えている。
数瞬の後、 斎藤はメインステップに《神秘の教示者/Mystical Tutor》でデッキ名に冠する《むかつき/Ad Nauseam》をサーチする。

Parradoは《Tropical Island》を出しただけでターンを返す。
斎藤は《むかつき》を引き、どう動くかを考える。
《FoW》と《目くらまし/Daze》、それにクロックのあるデッキを相手にするのはプレッシャーがあるだろう。
フェッチランドと《金属モックス/Chrome Mox》(《冥府の教示者/Infernal Tutor》を刻印)を出してお終い。

Parradoは《Volcanic Island》と《貴族の教主/Noble Hierarch》を出して速やかにターンを返す。
斎藤はターン終了時に《Underground Sea》を探し、何もせずに自分のターンを迎える。

斎藤は自分のターンに行動を起こす。
《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》(スレッショルドしてない)を唱え、《裏切り者の都/City of Traitors》を置いて《むかつき》。
Parradoは《渦まく知識/Brainstorm》の後、躊躇いがちに小声で「いいよ」。
この返答は斎藤とギャラリーを湧き立たせる。
「いいの?マジで?」
確かめる斎藤。

斎藤のライフは19。
この《むかつき》は致命的になるね。
めくれていくカードたち。

《暗黒の儀式/Dark Ritual》
《むかつき》(めくれた時にギャラリーからため息がもれた)
《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
《神秘の教示者》
《苦悶の触手/Tendrils of Agony》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《陰謀団の儀式》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《金属モックス》
《Underground Sea》
《渦巻く知識》

斎藤はちょっと計算してからこれで十分と考え、この11枚を手札に加える。
《モックス》に《むかつき》を刻印、《暗黒の儀式》とLEDをプレイ。
《渦巻く知識》、《陰謀団の儀式》と続き、《触手》がストーム8でプレイ。
致死量ではないが、22点のライフはもう1枚の《触手》を探しだす時間を稼いでくれるだろう。(原文は36点とあるが間違いなく間違い)

Parradoは《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》を置き《教主》で1点パンチ。
ますます増えていくギャラリーからはクスクス笑いが聞こえる。

斎藤はアップキープに《神秘の教示者》で《触手》を見せて投了を促す。


Tomoharu Saito 1 – 0 Ruben Gonzales Parrado


Parradoはまたもやマリガン。斎藤は秒でキープ。
Parradoは6枚キープでまたもや《Tropical Island》だけ。
《岸辺》で持ってきた《Underground Sea》のスリーブが破れていたが手早く入れ替える斎藤。
《目くらまし》ケアの《水蓮の花びら/Lotus Petal》を置いて《思考囲い/Thoughtseize》をプレイ。
Parradoは《渦巻く知識》で良いカードを隠す。

公開されたカードは《思案/Ponder》、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》、《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》、《平地/Plains》、《霧深い雨林/Misty Rainforest》。
《思案》がすぐに選ばれる。

《知識》で隠されたカードはParradoが《雨林》をプレイしただけで終えてしまったのでわからずじまい。
斎藤は《思案》を打っただけでターンを返す。

Parradoはメインフェイズに動くには期が熟していないと判断したのか、3枚目の土地を置くだけ。
斎藤も3枚目の土地を置いて小考の後にエンド。

Parradoの《ロウクス》が膠着状態を打ち破り、斎藤はターンエンドの《神秘の教示者》でそれに応える。
《教示者》で《強迫/Duress》を取ってくるって事はこの日本人、手札がかなり良さそうだ。
《脅迫》は《払拭/Dispel》を落とし、残るは《島》と《StP》だけ。
斎藤が始められるのならParradoは妨害できないね。

土地と《花びら》を置き、《陰謀団の儀式》から《むかつき》を唱える斎藤の残りライフは15。

《陰謀団の儀式》
《神秘の教示者》
《冥府の教示者》
《神秘の教示者》
《裏切り者の都》

ここで斎藤は小考するが、結局《むかむか》し続けることに。

《思考囲い》がめくれたところで斎藤は公開したカードを拾い上げる。
《モックス》、《神秘の教示者》、《暗黒の儀式》、《陰謀団の儀式》、《囲い》、暴勇している《冥府の教示者》がこのターン十枚目のスペルとなる《触手》をライブラリーから持ってきた。


斎藤友晴 2 – 0 Ruben Gonzales Parrado
原文:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpmad10/welcome#19

過去最大級のMtGイベントにおいて、未だプレイしているというのはそれだけでも驚異的な事だろう。
この高みにいる人種には下記2種が存在する。

い)2200人以上のプレイヤーの頂点に立ってトロフィーを掲げる自分を想像し、そこに向かって突き進んでいく。

ろ)特に何も想像せず、起きていない事はあり得ない事として試合に勝つたびに唯々次の試合に備えていく。


GPトップ8デビューの二人がシャッフルを始めてしまったので、各々どちらなのかは尋ねられなかった。


ダイスロールに勝ったRestoyは《吹きさらしの原野/Windswept Heath》を出しただけでターンエンド。
Blandは《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》をすぐに《Taiga》にして《密林の猿人/Kird Ape》をプレイ。
Restoyは《原野》で《Tropical Island》フェッチ、《平地》から《森の知恵/Sylvan Library》を戦場へ。
Blandにとってもお馴染みのカードだ。

このゲーム最初のダメージは《猿人》の攻撃。《野生のナカティル/Wild Nacatl》が追加される。
《森の知恵》で余分にカードを引くRestoy、ズー相手に使うのは計画的にね!
結局ライフを払う事は無く、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》をプレイしてライフを18に戻す。
Blandが《原野》を使っているのでライフはタイになる。
《流刑への道/Path to Exile》が《嫌がらせ屋》を狙うものの《FoW》がそれを阻む(《目くらまし/Daze》を追放)。
2枚目の《流刑》はさすがにカウンターされない。
《猿人》と《ナカティル》でアタックした後、2体目の《ナカティル》を呼び出す英国紳士。

今一度《知恵》への支払いを辞退するRestoy。
Blandの3体アタックに対し、《ナカティル》に《バントの魔除け/Bant Charm》が飛ぶ。
《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》とさらなる《ナカティル》には為す術なしのRestoy。
第1ゲームはズーがRestoyを狩り立てていった。


Lluis Restoy 0 - 1 Richard Bland


両者マリガン無し。
Restoyは1ターン目に《貴族の教主/Noble Hierarch》を戦場へ。
Blandは《原野》からの《Taiga》で《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》を呼び出す。
《渦まく知識/Brainstorm》が《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を掘り出して《溶岩使い》を農場へ。
《稲妻/Lightning Bolt》が《教主》に落とされ、2枚目の《溶岩使い》がプレイされるも、《FoW》がそれを阻む(《目くらまし/Daze》を追放)。

Restoyは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をプレイ。このゲームを落とすとトーナメントが終わるRestoyにとっては上々のスタートだ。
Blandは《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》をプレイ。3/4の《タルモ》よりは小さいけどいないよりはましだろう。Restoyが追加した《タルモゴイフ》がいなかったら、ね。

《溶岩使い》参号機をプレイしたBlandは続けてスーパー装備品《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》を戦場に。
怖いものなしの《タルモ》が3点パンチでBlandの残りライフは13、《森の知恵》で何か良い物を見つけたようだ。
《稲妻のらせん/Lightning Helix》がアンタップ状態の《タルモ》に向けてプレイされ、《溶岩使い》が止めを刺す。
ブロッカーがいなくなり、《ガドック》が殴ってRestoyのライフは18に。

《バントの魔除け》が十手を壊し、4/5の《タルモ》が殴ってBlandは12。
Blandは《らせん》+《溶岩使い》の能力で再び《タルモ》を除去しようと試みるが《らせん》に飛ぶ《目くらまし》。
ならば、と《ガドック》と《溶岩使い》でアタックするBland。
Restoyはフェッチランドから《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》を持ってきて《溶岩使い》と相打ち。
Restoyにとっておいしいターンになった。

《タルモ》が殴り、Restoyは更なる《タルモ》をお代わり。
次のターンに1体が攻撃、2体の《ナカティル》のダブルブロックで1対1交換するが、Restoyは続けざまに《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》を戦場に送り出す。
Blandは戦場の均衡を取り戻すべく《タルモ》をプレイ。
この時点で英国紳士はトップデッキに頼るしかないのに対し、Restoyは《知恵》でドローの質に差をつけており、その恩恵でBlandの《タルモ》を農場送り。

Blandはトップした《流刑への道》で《ロウクス》を除去し、場の均衡を取り戻す。
Restoyはとうとう《知恵》にライフを払ってカードを余計に引くが、ドローに勢いのあるBlandは《ガドック》に続けて《タルモ》をプレイする。
Restoyの出した《嫌がらせ屋》はまさに”頑強”な存在だ。
Blandは有効牌を引き続け、《猿人》を戦力に追加して、場の均衡を引き寄せる。

Restoyは《渦まく知識/Brainstorm》を連発してライブラリを掘り進んでいき、タップアウトしてしまうが《嫌がらせ屋》弐号機を出してライフを13まで戻す。
ここで場を支配しているのは4/5《タルモ》のようだ。
3度《知識》のRestoy、《知恵》への情報提供料を払ってライフは9。
《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》を陣営に加えてBlandへの牽制とする。
Blandにとってもおそらく大活躍したであろう《森の知恵》が、彼の準決勝への道を阻むとは何という皮肉(ちなみに皮肉は彼の母国である英国の国技でもある)。

《嫌がらせ屋》が攻撃したとき、Blandはきな臭い何かを感じただろうが、臭いの元が何なのかはわからなかったようだ。
《タルモ》がブロックしたのを見たRestoyは《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》で《タルモ》を除去する。
この形振り構わぬ攻撃でRestoyは主導権を取り戻した。
Blandはコンバットトリックに巧い事やられてしまったようだ。
《猿人》のアタックは3体のクリーチャーにブロックされ、カウンターの乗った2体の《嫌がらせ屋》を道連れにする。

《教主》と自分自身の賛美により《クァーサル》が4/4で攻撃、4点払って手に入れた《嫌がらせ屋》を予定より早くプレイ。
Blandのライフは6、Restoyのライフは8、まだまだ何かが起こりそうだ。
ここでBlandが引き込んだ《ナカティル》はスルー。
事実は小説よりも奇なり、Restoyは4枚目の《嫌がらせ屋》を引く。
レガシーのズーは30点以上のダメージを生み出す事は想定されていないので、Blandは先手で始められる第3ゲームに移る事にした。

Lluis Restoy 1 - 1 Richard Bland


RestoyのマリガンはBlandの先手をより優位に立たせる。
6枚の手札を見て哀愁を漂わせるRestoy。
時間が掛かったが、なんとか5枚の手札キープ。

《乾燥台地/Arid Mesa》からの《Savannah》で《ナカティル》スタートのBland。
《Tropical Island》を置いただけのRestoyに対し、《山》を置いて3点パンチがファーストダメージ。
《ナカティル》弐号機を出してターンを返す。
手札に控えている《猿人》は《目くらまし》を警戒してかプレイされなかった。
Restoyはまたも土地を出してお終い。
6点のダメージが追加され、《溶岩使い》が出される。
これで決着がついたかな?

Restoyは何もできないまま残りライフが4になってしまう。
2体目の《溶岩使い》が追加されてもRestoyの3マナは何も生み出せない。
3ゲーム目は盛り上がりの無いまま、ズーが最高の回りを見せつけて対戦相手を蹂躙した。

Lluis Restoy 1 - 2 Richard Bland
原文:http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpmad10/welcome#18

GPトップ8に残るのは初めてのAndreas Muller(同じドイツ人のAndre Mullerと紛らわしいね)。
対するオランダ人のSven DijtがGPトップ8に残ったのは1997年のGPアムステルダム(一番最初のGP) だから一昔前だ。

ズ-のDijtに対し、リアニメーターのMuller。
マッチの前にMuller が「デッキリストだけで考えるよりもキッツいマッチだよ」と教えてくれたー。おしーえてくーれーたー。
テーブルに着くなり「これがリアニとの最初のテストマッチだ。ほンとに」とナイスジョークのDijt。

ダイスロールに勝ったDijtは1ターン目に《野生のナカティル/Wild Nacatl》、2ターン目に《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》を続ける。
Muller はガドックを《FoW》(《目くらまし/Daze》をリムーブ)。Dijtのエンドに《納墓/Entomb》で《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》を埋める。
メインフェイズに《渦まく知識/Brainstorm》を打ってもリアニメイト呪文を打てないMuller。

Dijtは赤マナに苦しむが《不毛の大地/Wasteland》でMuller の青マナを攻め、《壌土のライオン/Loam Lion》を戦場に出す。
Muller は《汚染された三角州/Polluted Delta》で《島/Island》を引っ張り《入念な研究/Careful Study》、《浄火の大天使/Empyrial Archangel》を落とす。未だリアニメイトはできない。

Dijtは《Taiga》を5ターン目にフェッチ、《Chain Lightning》でMuller のライフを5にする。
もう一回《渦まく知識》を打ったMuller は《死体発掘/Exhume》をゲット。
《イオナ》がやっとこさ戦場に戻って対戦相手の赤い呪文をシャットアウト。
反対側には打ち消された《ガドック》が戻ってきてる。
クリーチャ3体でアタック、《ナカティル》がブロックされるが《ガドック》と《ライオン》がMuller のライフを1にする。

ここでMuller は何もしないでターンを返す。
2体のクリーチャーが攻撃すると《ライオン》が《残響する真実/Echoing Truth》され、《ガドック》は当然《イオナ》がブロック。

返すターン、Muller は《大天使》を《死体発掘》して逆転ミッションコンプリート。
《大天使》の軽減能力で《イオナ》が安心の7点パンチ、Dijtの残りライフは11。
そういえば《死体発掘》で《ガドック》が戻ってきている。
Dijtは回答を見つけられず、7/7と5/8の天使がタップされる。


Sven Dijt 0 - 1 Andreas Muller


サイドボーディング中、二人は昔話に花を咲かせる。
大部分はDijtだけどね。
MtGの歴史家であるRichard Hagonによると、Dijtがグランプリトップ8に残った時、Muller は10歳だったそうな。

Dijtは第2ゲームを《Taiga》、《密林の猿人/Kird Ape》、《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》と始め、2枚の《不毛の大地》を続ける。
1マナしか使わせてもらえない上に墓地対策を出されてMuller にはきっつい展開。

そこから2マナ目を引いたMuller は”爆弾”を落とす。爆弾を落とす、というか”落とすため”の爆弾を。
《暗黒の儀式/Dark Ritual》から《実物提示教育/Show and Tell》で墓地をスルーして《浄化の大天使》を直接戦場に出した!
Dijtがドヤ顔で出したパーマネントは・・・《乾燥大地/Arid Mesa》。

5/8被覆ダメージ吸収飛行持ちに3回ド突かれてもDijtは回答を探し出せなかった。
Muller が準決勝へ。

Sven Dijt 0 - 2 Andreas Muller
原文:http://www.starcitygames.com/magic/legacy/18517_Feature_Article_Would_Legacy_Be_Better_Off_Without_Tarmogoyf.html


《タルモゴイフ/Tarmogoyf》は12月の禁止・制限リストの更新を切り抜けました。
この辺りでレガシーにおける彼の歴史を振り返ってみましょう。

悪名高い低コストのファッティは2007年のデビューから着実に影響を及ぼしてきました。
彼は環境を歪めているのでしょうか?
そんなことはありません!彼は環境を特徴づけているのです。
ヴィンテージプレイヤーがMoxenを有効活用するか黙らせるかする様に、レガシープレイヤーは《タルモ》を同じ様に敵対視し、愛するのです。
全ての色にタッチされて使われてる?それが何故いけないんでしょうか。
1Gのコストで何の欠点も無い5/6クリーチャーをゲームが始まってすぐに使えるんですよ?

その強力さと色マナの少なさから彼の価格は現在も上昇し続け、現在60$の値札がついています。

《タルモ》の圧倒的な強さを考えるとこの値段がレガシー入門者に対する弊害であるとは言いづらいのですが、一部の人は彼を環境を歪めているので禁止にしろと騒ぎたてます。


彼の弁護人は下記の2点を主張するでしょう。

・《タルモ》はトランプル・回避能力・その他能力をまったく持たない、いわゆる”バニラ”である。
・《タルモ》は簡単に対処できる。(白い除去・黒い除去・自分の《タルモ》によって、という注釈つき)

主張をより強固にするために、思考実験で《タルモ》を少し強くしてみましょう。
《タルモ》のパワー/タフネスが"* x 2/* x 2"だったとします。
上記の主張は変わらず有効じゃありませんか?


さらに弁護人からの質問です。
《タルモ》を禁止する事にどのようなメリットがあるのでしょうか?
過去の禁止カードの禁止理由は環境を正常に保つ事にあると結論付けられます。
R&Dのマネージャー 、Aaron Forsytheは2004年の《頭蓋骨絞め/Skullclamp》がスタンダードで禁止される際、以下のように発表しました。


《頭蓋骨絞め》がスタンダードで禁止されるのは、簡単に言うと、ありとあらゆるところで使われるからだ。
競争力を持ったデッキの全てが《絞め》をメインに4枚かサイドに4枚、あるいは《絞め》を対策するために構築されている。
そして結果を残したのは、前2つが3つ目を圧倒した。
デッキに《絞め》を使うか《絞め》への対抗カードを使わなくてはならない環境、これはカードがメタゲームを歪める決定的な例だ。



この文章の鍵は、環境の安定、多様性の重要性、多様性の欠如の問題視にあります。

これを基準にすると、《タルモ》がかつてのスタンダードにおける《絞め》程に悪い影響を与えているとは言えません。
彼は競争力のあるデッキの多くに入っていますが、その全てに座席を確保している訳ではないのです。
St. Louisで行われたStarCityGamesの5000$オープンを見てみましょう。
優勝者のデッキには4枚、Top4には2つのデッキに計8枚、Top16では合計32枚です。

10月のPhilladellphiaの5000$オープンは同じようにTop16で合計32枚の《タルモ》、Top4には計8枚ですが優勝はスレッショルドに勝ったスタックスに持っていかれました。

上位の50%が《タルモ》を使っていますがこれは支配的な数字でしょうか?
これが60%だったら?
70%は?
どこからが禁止ライン?
そもそも禁止ラインなんてありますか?
Forsytheの理論によるならば、大きなトーナメントで勝つために全てのプレイヤーが《タルモ》を4枚使い、そして勝つ事によって《タルモ》を禁止リストに追い込むことができるでしょう。

The Sourceの「レガシーで禁止した方がいいカード」スレッドで、《タルモ》は《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》に次ぐ2位につけています。(スレッドが禁止リストに影響を及ぼすことはありません。)
《独楽》は2008年のエクステンデッドで、シャッフル手段と組み合わされることによりあまりに多くのラウンドを引き分けに終わらせ、トーナメントを長引かせたという理由で禁止になりました。
禁止に関する議論において、Bill Stark は彼のコラム"Behind the September 2008 B&R Changes"で、黎明期に《Shahrazad》、《土地税/Land Tax》、《Thawing Glaciers》が似たような理由で禁止になったと指摘しました。

《タルモ》はゲームの進行を遅らせたりはしないので、この点でも陪審員に好印象です。
次に2003年まで振り返ってみましょう。

2003年に《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》がエクステンデットで禁止されました。
DCIの説明は以下の通り。


エクテンマジ早くなりすぎ。
悪いデッキが多いけど一番悪いのはゴブリンデッキ、んで、その中でもパねぇのが《従僕》。
オンスロートブロック、特にスカージでイケてるゴブリン出しすぎて、そいつらをタダで出せちゃうのが1ターン目に出てくるのは強過ぎだぜプゲラッチョ。



もちろん、ANTが2キルしてくるレガシーで、それよりも遅い《タルモ》の禁止なんてあり得ません。
ただのクリーチャーに過ぎないという点は被告にとって最も強力な主張でしょう。
そもそもクリーチャーは(戦闘に使う)双方向的なものです。
そしてWotC(ともちろんプレイヤー)は双方向性を好んでいます。
《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》と《隠遁ドルイド/Hermit Druid》はコンボパーツなので禁止リストに載っています。
《金属細工師/Metalworker》は《修繕/Tinker》と一緒に牢屋に入っていましたが最近追い出されて来ました。
《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》は《食物連鎖/Food Chain》との組み合わせで恐ろしい事になってしまいます。
《タルモ》はコンボパーツたり得ません。
彼はビートダウンするためだけにいるんです。
彼はきちんと仕事をします。過剰と言ってもいい位に。


そのサイズに比べて低すぎるマナコストのため、《タルモ》はデッキ構築において選択肢を減らしてくれます。
大抵の場合、彼は選択肢として最高の回答だからです。
彼はカウンタートップにおけるデッキ内唯一の大きなクリーチャであり、ズーではクリーチャー軍団の頼もしい追加です。
エヴァグリーンは手札破壊で、ゴイフスライは火力、スレッショルドはテンポカードでそれぞれタルモをバックアップします。
アグロロームが相手に土地を投げつける用意が完了しているとしても《タルモ》を4枚使う余地はあるでしょう。

マーフォーク。そう、マーフォークデッキにすらタルモの居場所があるんです。
鰭(ひれ)と鱗がデッキの必要条件だと思うかもしれませんが、一部のプレイヤーはデッキのロードクリーチャーから恩恵を受けられなくても、もう4枚のマーフォークよりも《タルモ》を使う方が効果的であると考えたようです。
そのうちの一人がPhilladellphiaの5000$オープンでTop16に残りました。

《タルモ》について話すとき、彼はR&Dの失敗作であるという点に話が及ぶでしょう。
ところがR&Dは彼の強さを了解済みだったのです。
昨年の夏、MTG Salvationのフォーラムにある「皆がいつも話してる、けれど僕には探せない、誰か知ってる人はいない?」スレッドに端を発したYouTubeのThe Magic Showエピソード79があります。
この動画でMark Rosewaterは《タルモ》はR&Dの、緑を強力な色にする努力の結果だという事を明かしました。(http://www.youtube.com/watch?v=eVNfxf8v3F4 6:00~)
Markによると、この毛深い獣が当初3マナで、ジョニー(新し物好きなプレイヤー)のための「ナイスな《ルアゴイフ/Lhurgoyf》の亜種」を作りたかったそうです。
「我々は《タルモ》が《タルモ》である事を知らなかったんだ。分かるだろう?」彼はニヤニヤしながら頭を振ってこう言ったのです。


しかし、《タルモ》はいつ指名手配されてもおかしくありません。
MtGの構造はバランスを取るようにできています。
コストが安い強力なカードを使うには正当な対価を払わなくてはいけません。
《はぐれ象/Rogue Elephant》はGで3/3ですが、《森/Forest》を1枚生贄に捧げる事を要求されます。
《肉裂き怪物/Flesh Reaver》は1Bで4/4の、ダメージを与えると《目には目を/Eye for an Eye》を発動するクリーチャーです。
彼らは1/1は1マナ、2/2は2マナであるという一般的な形からは逸脱しています。

ウィニー・デッキとファッティ・デッキには明確な線引きがなされていました。
かかったマナとターンに関わらず、ウィニーはラッシュでファッティを蹂躙することもありました。
同様に、ファッティは時間が与えられれば、おちびさんたちを蹴散らす事も出来ました。
コストよりもパワーの高いカードが沢山あって線引きが曖昧になっていた事もありますが、《タルモ》はそれを完全に消し去りました。
《カーノファージ/Carnophage》(アップキープコストのあるBで2/2)が《タルモ》に立ち向かえますか?
《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》(Wで2/2、ただし伝説のクリーチャー)は?
《黒騎士/Black Knight》は?
《野生の雑種犬/Wild Mongrel》は?
《タルモ》はファッティのパワーとウィニーのスピードを持ち合わせています。
彼はあっという間に膨れ上がって《勇丸》をホットドッグよろしく呑み込んでしまいます。
《タルモ》はただゲームを進めるだけで大きくなっていくのです。


ギャザラーデータベースによれば、レガシーで使えるカードは10,604種類に上ります。
《タルモ》に肘鉄を喰らわせられるクリーチャーがどの程度いると言うのでしょう?
緑以外で《タルモ》を食い止められるクリーチャーが何体いますか?
《タルモ》が不可欠なデッキがどれほどで、彼を一番うまく使えているデッキはどれでしょうか?
《タルモ》がいなくなったらどのくらいのデッキが緑を散らすのを止めてしまうのでしょう?


レガシーは《タルモゴイフ》がいなくなった方が良くなるのでしょうか?
次のトーナメントで考えてみてください。彼がいてくれる、という事を。

Jeremy Edwards
原文:http://www.starcitygames.com/magic/legacy/18294_Legacys_Allure_Entombing_Treasures.html

9月の禁止カードリストの更新によって、大きな影響があるとは言えないながらも注意を払うべきカード、《納墓/Entomb》がレガシー環境において解禁されました。
今週はこの素敵なインスタントの2つの使い道、従来どおりのリアニメイト戦略と《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》以来の”クリーチャーっていうよりコンボパーツ”《変幻の大男/Protean Hulk》についての記事です。


《納墓》とリアニメイト戦略

リアニメイト戦略は昔からカードプールの広いフォーマットで力を発揮してきました。
Tom Guevinによるこのベンツォ解説記事(英語:http://www.wizards.com/sideboard/article.asp?x=sb20011210a  日本語:http://braingeyser.at.infoseek.co.jp/01/1211benzo.html)は一読の価値があります。
ベンツォは数年前のエクステンデッドで猛威を振るったリアニメイトデッキです。
珠玉のデッキリストはこちら


19 Swamp/沼
3 Rishadan Port/リシャーダの港

1 Avatar of Woe/悲哀の化身
1 Multani, Maro Sorcerer/マローの魔術師ムルタニ
1 Verdant Force/新緑の魔力
1 Squee, Goblin Nabob/ゴブリンの太主スクイー
2 Krovikan Horror
1 Nether Spirit/冥界のスピリット

4 Zombie Infestation/ゾンビの横行
4 Entomb/納墓
3 Buried Alive/生き埋め
4 Vampiric Tutor/吸血の教示者
4 Reanimate/再活性
2 Animate Dead/動く死体
4 Exhume/死体発掘
4 Duress/強迫
1 Contamination/汚染
1 Massacre/虐殺

SIDEBOARD
2 Massacre/虐殺
1 Terror/恐怖
1 Bone Shredder/骨砕き
1 Ascendant Evincar/隆盛なるエヴィンカー
1 Avatar of Woe/悲哀の化身
1 Marauding Knight/無法の騎士
3 Phyrexian Negator/ファイレクシアの抹殺者
2 Contamination/汚染
1 Phyrexian Furnace/ファイレクシアの炉
1 Null Rod/無のロッド
1 Perish/非業の死


このデッキは1ターン目に《暗黒の儀式/Dark Ritual》、《強迫/Duress》、《納墓》で《新緑の魔力/Verdant Force》か《マローの魔術師ムルタニ/Multani, Maro-Sorcerer》を埋めて《再活性/Reanimate》と動いて勝つことができました。(ポマ注:当時のエクステンデッドは《暗黒の儀式》が禁止だったのでこの動きはできませんでした。)
手札の一番良いカードを捨てさせられた上、2-3ターンクロックに対処しなければいけない状態でゲームを始めた対戦相手に比べれば、8ライフの損失は問題になりませんでした。
他に、2ターン目の《ゾンビの横行/Zombie Infestation》と《生き埋め/Buried Alive》からの《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》と2枚の《Krovikan Horror》が,巧妙なスタックトリックを使ってアンタップステップを迎えるたびに3体のゾンビトークンを作り出すこともありました。
ベンツォは長期戦になると抜け出すのが困難なロックデッキへと変わります。
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》によって《汚染/Contamination》を探し出し、《冥界のスピリット/Nether Spirit》や《新緑の魔力》で維持し続けたのです。

今の私たちは《吸血の教示者》を使うことはできませんが(おそらく環境にとってはよいことでしょう)、他にベンツォを強化するカードを手に入れています。
さらに、墓地から吊り上げるクリーチャーも当時より豊富にいます。
もしこれらのカードが無ければ《納墓》は環境にたいした影響を与えられなかったでしょう。

《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》

この7/7飛行は1ターン目に対戦相手の除去を全て役立たずにするか、あるいはもっと悪いことに、対戦相手のデッキを丸ごと使えなくさせてしまうことができるんです!
客観的に見て、《イオナ》はそこまで”終わってる”カードではありません。ゲームの後半になると彼女を《再活性》したらダメージレースに勝てなくなってしまいます。
そんな時はこちらのカードを使いましょう。

《鋼の翼のスフィンクス/Sphinx Of The Steel Wind》

アクローマロボは攻撃に行ってもアンタップ状態の安心設計で、なおかつプロテクション(スレッショルド)を持っているため、ライフの心許ないゲームの風向きを速やかに変えてくれます。
農場送りにされてしまいますが、これはリアニメイターデッキ全般が抱える問題点なのであきらめてください。
さらにもう2つのディフェンスに定評のあるびっくりドッキリメカを簡単にご紹介しましょう。
戦場にいるうちは火力ダメージと戦闘ダメージのほとんど吸収してくれる《浄火の大天使/Empyrial Archangel》と、ドレッジと単体除去が苦手なデッキを文字通りシャットダウンしてくれる《魅力的な執政官/Blazing Archon》です。


残念ながらリアニメイターデッキは明確な弱点を抱えてます。
打ち消し呪文は対象が明らかなので(《納墓》とリアニメイト呪文)、デッキを空回りさせやすいでしょう。
手札破壊は打消し呪文に対する回答になりますので、ついでにどんな手段でこちらの巨大生物に対処してくるかも確認しておきましょう。
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》と《流刑への道/Path to Exile》は打ち消し呪文と同じ理由の脅威で、巨大生物を出すのにかかったリソースを無駄にしてしまいます。
そして、当然のことながら墓地対策カードが目の上のたんこぶです。
ドレッジが公然の敵になってくれたおかげで、ウィザーズ社は新しいセット毎に墓地対策カードを入れることにしたようです(;^^
昔のエクステンデッドでは《ファイレクシアの炉/Phyrexian Furnace》だけだった墓地対策が、今や代表的なものだけでも《虚空の力線/Leyline of the Void》、《次元の狭間/Planar Void》、《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》、《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》、《貪欲な罠/Ravenous Trap》があります。
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》と《真髄の針/Pithing Needle》がそれらの大半への対策となります。
1ゲーム目は対策カードを使われることがほとんど無いので、ドレッジと同じように取ることができるでしょう。というか第1ゲームは必ず取った上で残りの2ゲームのうちどちらかを対策カードを引かれない幸運で取っていくことになります。


なぜ「ザ・墓地デッキ」のドレッジではなくリアニメイターを使うのか考えてみましょう。
リアニメイターは、《強迫/Duress》などで相手に干渉する機会がより多くあります。更に安定したマナベースと使い方が簡単であることも付け加えましょう。
複数種類の墓地対策カードを相手に回す場合、手札破壊とリアニメイト呪文を連打していけばより簡単に勝てるはずです。
《死体発掘/Exhume》は対象を取っていないため、対戦相手の戦場に《大祖始の遺産》があっても、《死体発掘》を唱えて《遺産》を使わせた後に《納墓》のおかわりや《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》や《ゾンビの横行》で他のデカブツを墓地に放り込んでやりましょう。


今回リアニメイトデッキを作る為、参考にしたのがイタリアの135人トーナメントで3位にはいったStefano Venturiniのデッキです。

http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=30135

それから皆さんが脳内構築するであろうベンツォを私も作ってみました。

http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=30136

オリジナルのベンツォが通った道は封鎖されてしまっているので出来が荒いですね(;^^
《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》は《新緑の魔力》の代わりに《汚染》の維持用兼手札から出しうるクリーチャーとして採用してみました(核爆)。
以下のようなシナリオを考えて見ましょう。
相手は手札に2枚の《剣を鍬に》があってこれでゲームをコントロールして行こうと考えています。
そこに《思考囲い/Thoughtseize》、《ゾンビの横行/Zombie Infestation》、《汚染》、アップキープに《冥界のスピリット》と何かを捨ててゾンビトークンを《汚染》のコストに。なんという汚染状態!
(ポマ注:原文では1ターン目に《汚染》、2ターン目に《ゾンビの横行》で相手に何もさせないぜ!とありますが、それだと2ターン目のアップキープコストが払えないので、それっぽく変えてみました)
《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》は《イオナ》たんと《ウーナ》たんの攻撃を邪魔させないために入れてあります。
先人の例に倣って《悲哀の化身/Avatar of Woe》を使うこともできますよ(水爆)。



《納墓》と《変幻の大男》

《変幻の大男/Protean Hulk》は一見したところクリーチャーにしか見えません。
パワー/タフネスがあってクリーチャータイプも持ってるし、絵に写っているのはおっそろしか化物です。
ところがぎっちょん!
このクリーチャーはジョニー(コンボ大好きプレイヤー)御用達のコンボパーツなのです!
《閃光/Flash》の禁止以来使われることのなかった《大男》が《納墓》によって新たな命を与えられました。
《大男》を墓地に放り込んだ後、《ネクロマンシー/Necromancy》か《御霊の足跡/Footsteps of the Goryo》で吊り上げれば《大男》は勝手に墓地に落ちてくれるのでコンボは完成です。
《納墓》を使う一番大きな利点はデッキ内の《大男》を1枚にすることによって、コンボパーツを引いてしまう可能性を低く抑えることです。
一般的な勝ち手段を見ていきましょう。


《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》

必要なもの
4 《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》
4 《変容する壁/Shifting Wall》
3 《ファイレクシアの略奪機/Phyrexian Marauder》

どうやって勝つの?
4枚の《信奉者》(3枚でもok)を《大男》で出します。
一緒にマナコストがXのアーティファクトクリーチャーも出しましょう。
場に出た時にアーティファクトクリーチャーのパワー/タフネスがチェックされますが、X=0ですので即墓地送りです。
これは戦場を経由するため、《信奉者》の能力を誘発させますので、対戦相手は少なくとも21点のライフを失うことになります。

《信奉者》の利点
・単体除去と墓地対策に耐性がある。
・単純にクリーチャーをまとめて出すだけなのでおバカさんな貴方にうってつけ。
・コンボパーツ単体でも場に出すことはできるのでコンボ以外でも多少は役にたつ。

《信奉者》の駄目な点
・コンボパーツが11枚(!)必要。
・最高28点しか削れないので、ライフを多めに獲得されると勝てなくなってしまう。


《目覚ましヒバリ/Reveillark》

必要なもの
1 《目覚ましヒバリ/Reveillark》
1 《影武者/Body Double》
1 《屍肉喰らい/Carrion Feeder》
1 《胆汁小僧/Bile Urchin》

補助
1 《ボディ・スナッチャー/Body Snatcher》
1 《森を護る者/Sylvan Safekeeper》

どうやって勝つの?
まずは最初の《大男》の能力で《屍肉喰らい》+《影武者》か《屍肉喰らい》+《ボディスナッチャー》を持ってきましょう。
《ボディスナッチャー》は手札に《屍肉喰らい》以外のコンボパーツがあった場合、それを捨てるために持ってきます。
《影武者》の場合は《大男》をコピー、《ボディスナッチャー》は《屍肉喰らい》で生贄に捧げて《大男》を戦場に戻しましょう。
今度は《大男》(もしくは変身した《影武者》)を《屍肉喰らい》で生贄に捧げて《ヒバリ》と《胆汁小僧》を持ってきましょう。
《小僧》を生贄に捧げて対戦相手のライフを減らし、今度は《屍肉喰らい》で《ヒバリ》を食べちゃいます。
《ヒバリ》が戦場を離れた能力で《影武者》と《小僧》が戻ってきます。
《影武者》は《ヒバリ》のコピーとして戦場に戻しましょう。
ここでもう一度《小僧》を生贄に捧げます。
おかしく感じるかもしれませんが、《ヒバリ》をコピーした《影武者》を《屍肉喰らい》で生贄に捧げると、戦場を離れた能力で《影武者》自身を元に戻すことができるのです。
これを繰り返すと相手のライフがどんなに膨大にあろうとも《小僧》をそのライフ分生贄に捧げたり、《屍肉喰らい》をそのライフよりも大きくできちゃったりしちゃったりできるのです。
つまりノンストップ!ヒバリ君というわけですね。

《ヒバリ》の利点
・妨害が難しい。《屍肉喰らい》への単体除去は防げます。最初の《大男》の能力で《屍肉喰らい》+《ボディスナッチャー》+《森を護る者》を持って来れば、戦場にある土地の枚数分だけ単体除去をかわせるのです。
・コンボを妨害されても《ヒバリ》+《屍肉喰らい》でビートダウンができうる。
・必要枚数が少なくて済む。

《ヒバリ》の駄目な点
・墓地対策の影響受けまくりんぐ。
・コンボがちょいと複雑なのでおバカさんな貴方には使いこなせない。


スリヴァー

必要なもの
4 《悪性スリヴァー/Virulent Sliver》
1 《ハートのスリヴァー/Heart Sliver》

補助
1 《有翼スリヴァー/Winged Sliver》
1 《水晶スリヴァー/Crystalline Sliver》

どうやって勝つの?
必要パーツをまとめて場に出します。
速攻持ちスリヴァーの攻撃が全て通れば相手に毒カウンターを20個エビルプレゼント!
《有翼》でブロッカーをかわしたり《水晶》で単体除去をかわせたりもできます。
《陰影スリヴァー/Shadow Sliver》ならブロックされないと12個プレゼントです。

スリヴァーの利点
・墓地を使いません。
・コンボパーツ単体をそのままプレイできるので、コンボしないで毒カウンターで勝つことができるかも。《悪性》が2体いるとかなり簡単です。

スリヴァーの駄目な点
・単体除去と火力にゲロ弱。
・攻撃クリーチャー指定前に《大男》を生贄に捧げる手段がないと《ハート》が全く意味なし子ちゃん。


《ヒバリ》以外に選択の余地はなさそうですが、スリヴァー・キルは芸術点高めです。
サイドにスリヴァーセットを用意しておけば、サイドボーディング後の相手の墓地対策を空振りさせられるかもしれません。
いずれにせよ、最初に吊り上げる《大男》を狙われるので、2枚目の《大男》をサイドに用意しておくのもいいと思う。いいんじゃないかな。まちょっと覚悟はしておけ。


《大男》コンボは許容範囲の強さでしょう。
結構な回数のテストの結果、強いけど強すぎないコンボという印象です。
きちんと土地を置けてうまい具合に呪文をプレイできてもギリギリという感じで、少しもたつくとあっという間にフルボッコです。
Patrick Chapin(と私たちのチーム)によるこちらのリストはテストプレイで好感触でした。

http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=30137

対戦相手が《剣を鍬に》を使っている場合は《陰謀団式療法/Cabal Therapy》を墓地に用意しましょう。
《ネクロマンシー》が《大男》を生贄に捧げるのはターン終了ステップの開始時ですので、それまでに《剣を鍬に》や《流刑への道/Path to Exile》の格好の的となってしまいます。
《ネクロマンシー》の後、優先権を放棄しないで《療法》をフラッシュバックすればそんな隙を見せずに済みます。
生贄に捧げるのがコストの一部ですので、対戦相手に《大男》を追放するタイミングはナッシングです。


《綿密な分析/Deep Analysis》は《納墓》で持って来るもよし、《神秘の教示者/Mystical Tutor》で持ってくるも良しのナイスカードです。
対戦相手の打ち消し呪文の壁をこじ開けるために手札破壊を使った後、《分析》で4枚引いて相手を出し抜いてやりましょう。
《否定の契約/Pact of Negation》は非常に強力なのですが、
・相手の手札を覗ける
・コンボを決める前でも使える
事から《強迫/Duress》をお勧めします。
《契約》はコンボを始めるターンにしか使いませんしね。


個人的に《契約》や《思案/Ponder》の代わりに《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を使ってみたいです。
コンボパーツを引かないようにできますし、手札破壊への耐性もつきます。
Chapinのリストはデュアルランドをたくさん使っていますが、実は《Underground Sea》を2~3枚、フェッチランドは6~8枚、残りは基本地形で済ますこともできるんです。
基本地形7枚入りのデッキを使ったら、対カナディアンスレッショルド(カナスレ側のこちらに効き目のあるカードは《もみ消し/Stifle》だけ)がとっても楽になりましたよ。


《世界喰らいのドラゴン》よろしく、ハルクコンボには相手の裏をかく余地が沢山あります。
相手の対策カードをかわす勝ち方(《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》を4枚と《森を護る者/Sylvan Safekeeper》を1枚・《翻弄する魔道士/Meddling Mage》を3枚等)に調整することもできます。
サイドボードは相手の対策カードへの対策が必要になりますので、《真髄の針/Pithing Needle》と《恭しき沈黙/Reverent Silence》は両方とも採用したいですね。
変身サイドボードに使うスペースはそれに見合った結果がめったに得られませんのでお奨めできません。それでも対策カードを交わす勝ち手段として《破滅的な行為/Pernicious Deed》と《墓忍び/Tombstalker》は試してもいいでしょう。


《納墓》の上手な使い方

《納墓》はリアニメイトデッキを強化しましたが、それだけに留まらない力を秘めています。
例えば

・ロック風デッキで《壌土からの生命/Life from the Loam》や《起源/Genesis》を墓地に用意。
・《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》デッキで《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》や《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》といったコンボパーツを墓地に用意。
・《汚染/Contamination》デッキのコンボパーツを墓地に用意。
・ドレッジで《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》を墓地に用意。


《納墓/Entomb》を使って気づいたことがあったら是非ともフォーラムかメールで教えてください。
《イオナ》たんとの組み合わせって強い?
それとも《大男》と一緒のほうが素敵?
私が見落としたサムシングがあったりする?
私はレガシーでの使用に耐えうるカードが出てくるのを心待ちにしてるんです。

それじゃまた来週。

Doug Linn
legacysallure@gmail.com
原文:http://www.starcitygames.com/magic/legacy/18174_Legacys_Allure_Bloodghast_Dredge_with_Matthew_Bartlett.html

※文中ではドレッジ=デッキ名、発掘=キーワード能力として扱います。


今週は、StarCityGames.com Philadelphia $5000レガシートーナメントで第3位になったMatthew Bartlettへのインタビューをお送りする。
Matthewは、おなじみのドレッジに革新的手法を導入した「恐血鬼ドレッジ」を引っさげての登場だ。
まずはデッキリストをチェケラ!

http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=29962

このインタビューではMatthewがいかにしてデッキを構築したか、《恐血鬼/Bloodghast》を《イチョリッド/Ichorid》に優先させるどんな価値があるかについて、ドレッジを使うに当たって最も重要なサイドボーディングについて、それから先週末に出場したトーナメントについても話してもらった。
斜字体が私の質問で、普通の文体が質問に対するMatthewの答えだ。



まずは君のリストでもっとも特徴的な《恐血鬼/Bloodghasts》についてだ。
発表された当初、ネット上での評価は決して高くないものだった。
どうして使うつもりになったのかな?


新しいカードについて他の人の意見を聞き入れる必要は必ずしもないよね。
多くの人は試しに使ってみることもしないだろうし。
私のカードを評価する能力は他の人と同じくらいだろうけど、できるだけ実際に使ってから判断するようにしてるんだ。
ちょっと見た感じだと《恐血鬼》はたいしたカードじゃない。
ところが実際に使ってみると《イチョリッド》よりも優れている点が判明したんだ。
ほんの数ゲーム《恐血鬼》を外してみるとその利点は無視できないものになったよ。


《恐血鬼》が《イチョリッド/Ichorid》と比べて優れている点は何かな?
《灰燼のグール/Ashen Ghoul》や《冥界の影/Nether Shadow》との比較も聞かせて欲しい。


《灰燼のグール》と《冥界の影》は戦場に戻すのに3枚のクリーチャーカードをその上に用意しなくちゃいけないし、それは時間のかかることだ。さらに《グール》にはマナがかかるし、《影》は他の墓地復活クリーチャーと比べてパワーが頼りない。
これは《恐血鬼》と《イチョリッド》よりも明らかに劣る点だ。
《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》を使っていないのなら《恐血鬼》と《イチョリッド》の差はほとんどなくなってしまう。
《イチョリッド》は(通常ドローで)発掘する前のアップキープに戻さなくちゃいけないので少しばかり遅い。
《恐血鬼》はパワーが2である点、ゲーム後半にならないと速攻を持てない点が泣き所で、それは相手の《野生のナカティル/Wild Nacatl》、《密林の猿人/Kird Ape》、各種マーフォークロードの人気を考えると悩ましい。
《恐血鬼》を選んだのはレガシーがフォーマットとして、とても多様性に富んでいるからなんだ。
《イチョリッド》はいくつかのデッキに対しては(《恐血鬼》と比べ)優位性がある。
テストでは対ズー、マーフォーク、《相殺/Counterbalance》スレッショルドに焦点を当てた。
ドレッジにとっては対マーフォークが3つの中でダントツにきついマッチアップだ。
対《相殺》デッキは圧倒的とは言わないまでもドレッジが有利。
対ズーはお客さんだね。
《イチョリッド》はマーフォークに強いんだけど、ズーと《相殺》の事を考えると《恐血鬼》のスピードが俄然魅力的になる。
これらの事から、マーフォークに対抗するために《イチョリッド》を使うことはまだ十分に考えられる。
でも、先ほど言ったようにレガシーはとても多様性に富んだフォーマットだ。
Philadelphiaで行われた規模の大会では、今上げた3つのデッキだけに当たるわけじゃないし、いろいろなデッキに当たる可能性は十分に考慮した。
そんなわけでなるべく多くのデッキに対応できるようにしておきたかったんだ。
《恐血鬼》はマーフォークやカナディアンスレッショルドといった青系のテンポデッキ以外には有利に思えた。
より小規模な大会で、なおかつ青系のテンポデッキがメタゲーム上に多そうだったら《イチョリッド》を使うことをお勧めするよ。


《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》の代わりに入っている《不屈の部族/Tireless Tribe》は、5色地形の脆弱性と引き換えに防御力を高めているね。
《インプ》じゃなくて《部族》を選んだ理由は?


《朽ちゆくインプ》は《イチョリッド》との相性がすごくいい。
《イチョリッド》が追放されてビートダウンルートを選ばなくちゃいけない時にはナイスアタッカーになれるしね。
《恐血鬼》バージョンにビートダウン戦略はなじまないように思う。
《戦慄の復活/Dread Return》で何かを釣ってゲームを決定付けるために、ゲームを長引かせるナイスなブロッカーが必要なんだ。
《恐血鬼》の上陸を安定してできるように《知られざる楽園/Undiscovered Paradise》を4枚、サイドの《古えの遺恨/Ancient Grudge》とたまにある《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》を呪文としてプレイするために《宝石鉱山/Gemstone Mine》と《真鍮の都/City of Brass》を使ってる。
これらの土地から5色マナを出せるので、ためらい無く《部族》を入れられたのさ。


《ライオンの瞳のダイアモンド》が入っていない理由はなんだろう。
レガシー環境でも指折りの”壊れた”カードを使わない事によるデッキのスピードへの影響は?


LEDはデッキを加速してくれるが、同時に脆くしてしまう。
一部のドレッジ使いはそんなことは無いと言ってるし、おそらくそれは正しいんだろうけど、私としてはLEDが入っているとキープすべきでないハンドが増えるような気がするんだ。
少ない土地の枚数が痛手になるので、これはサイド後により顕著になる。
結局LED入りバージョンの速さとLED無し《イチョリッド》バージョンの中間点で妥協したってわけだ。


《失われた真実のスフィンクス/Sphinx of Lost Truths》じゃなくて《セファリッドの賢者/Cephalid Sage》が入っているのは何で?
単純に比較したら《スフィンクス》の方が良さそうに見えるんだけど。


もし《戦慄の復活》で《スフィンクス》か《賢者》を釣れたなら、次に《復活》用クリーチャーを釣って勝てるものだと思ってる。
そんなわけでパワー/タフネスの違いとか飛行を持ってるだとかに大した違いはない。
意味のある違いは、《賢者》は捨てる枚数が一枚少ない事、能力の誘発にスレッショルドが必要な事だね。
もし《イチョリッド》を使っているのなら手札に余計なカードを残す事にほとんど意味はない。
けれど《恐血鬼》を使っているのなら《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》が必要になる時がある。
《スフィンクス》か《賢者》を《復活》で釣った時に手札にカードが無いなんて事はほとんどないだろう。ところがここに《打開/Breakthrough》を絡ませると手札は無くなってしまう。
ここで問題だ。
以下のうち、どちらがより起こりうる状況だろうか?
・手札が0枚で3枚引けるクリーチャーを《復活》させる事
・《復活》のフラッシュバック用のクリーチャーが3体いて、スレッショルドを待つ事
テストプレイ中に前者は何度も起きたけど、後者の状況には決してならなかったよ。


大量に発掘しうるカードとして、例えば《トレイリアの風/Tolarian Winds》を使いたくなったりはしなかった?

使ってみたかったんだけど、安定してそういった事(大量発掘)をするにはスペースが無かったんだ。
《入念な研究/Careful Study》はサイドカードを引くために必要。
《打開》はX=1で使えばほぼ同じ効果が期待できる。
《部族》は《トレイリアの風》で得られるスピードのためには犠牲にしたくない程の安定性をデッキにもたらしてくれる。


多くのドレッジプレイヤーは《陰謀団式療法/Cabal Therapy》を1枚か2枚減らしているけれど君は4枚使っているね。
《恐血鬼》の存在が療法を使いやすくしてるのかな。


《イチョリッド》より速い《恐血鬼》は(フラッシュバックの)《療法》をより早く、より確実なものにしてくれる。
言ってしまえば、4枚未満の《療法》は間違ってるとさえ思ってるんだ。
墓地に複数枚の《黄泉からの橋/Bridge from Below》があればクリーチャーを(療法で)生贄に捧げて序盤により早く《復活》用のクリーチャーを用意できる。
特に1ゲーム目では、対ドレッジに有効なカードは限られてくるので、さながら《思考囲い/Thoughtseize》や《暴露/Unmask》の様に《療法》を使う事が出来るんだ。
もし4枚目の《療法》を入れる前に《囲い》や《暴露》を使ってるならそれは間違いなく間違ってるよ。
《療法》は自分を対象にしてドレッジャーを捨てて、後でフラッシュバックする、なんていう使い方もできるね。


《知られざる楽園/Undiscovered Paradise》と上陸のシナジーは狂気だね。

まったくだね!
上陸を誘発させ続けるのは本当にすごかったよ。
《楽園》を使う時は対戦相手の《不毛の大地/Wasteland》に対してより慎重にしなくちゃいけないよ。
《楽園》で《恐血鬼》を繰り返し使える手札だと思って油断していると相手の《不毛》で沈む事になりかねないからね。


《名誉回復/Vindicate》効果(《絶望の天使/Angel of Despair》や《森滅ぼしの最長老/Woodfall Primus》)があれば負けずに済んだシチュエーションはあった?

あまり覚えていないけど、そういったカードは42ランドや白スタックスに対して有用だね。
今使っているリストはメインに《長老》が1枚、サイドの《遺恨》の代わりに4枚目の《Force of Will》が入ってるよ。


サイドの《Force of Will》は正気の沙汰とは思えない。
サイドインする場合は何を抜くの?
それと何を打ち消すためのものなの?


《FoW》は本当に役に立つんだ。
大抵は《部族》を抜いて入れるけど、相手にもよるかな。
《虚空の力線/Leyline of the Void》以外の対策カードを対処できるし、《土覆いのシャーマン/Loaming Shaman》のような遅いカードには特に有効だ。
ANTやベルチャーといったコンボデッキにもワンチャンス作れるよ。
それから大抵のデッキはゲームを”作る”のに1~2種類のカードに頼ってるよね。
たとえば42ランドなら《踏査/Exploration》か《マナ結合/Manabond》を置けないとスピードを出せないね。
白スタックスなら《亡霊の牢獄/Ghostly Prison》、《三なる宝球/Trinisphere》、《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》+《不毛》辺りかな。
《研究》や《打開》をコストにしなくちゃいけないので《FoW》はこちらの展開を遅くするけど、相手の重要なカードを打ち消せるので入れる価値はあるんじゃないかな。
《タルモゴイフ/Tarmogoyf》みたいなカードを適当に打ち消すためには使っちゃいけないよ。
それから対策カードをうまく使える速効デッキに対してはサイドインしちゃだめだからね。

(Matthewは4枚目のFoWをサイドボードに用意したかったんだってさ!)


《貪欲な罠/Ravenous Trap》が新しくドレッジの"お仲間"になったけど、今回の大会で気にかけたことはあった?
将来的にはどうなると思う?


《貪欲な罠》が《FoW》をサイドに入れた元々の理由だったんだ。
《暴露》も《罠》対策にはなるんだけど《FoW》なら一つ前の項目で掲げた事を全部できるしね。


相手に対策カードをどんな風に使われると嫌かな?

賢明なプレイヤーはドレッジ相手に多角的であまり直観的でないサイドボードをしてくるんだ。
ドレッジを使うに当たって一番難しいのがサイドボーディングなんだけど、どうにか簡単にできないものかねぇ?
もし相手が親和を使っているのなら、サイド後は《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》か《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》を入れてくると仮定して《真髄の針/Pithing Needle》を入れるだろう。
もしそれらの代わりに《貪欲な罠》、《根絶/Extirpate》、《イクスリッドの看守/Yixlid Jailer》を1枚ずつ使われると、ドレッジのコンボは骨抜きにされてしまう。
親和デッキは(親和を稼げないので)若干のシナジーを失うけれど、私が予想できないという利点を得ることになる。
黒以外のデッキでこういった事は難しいけれど、《トーモッドの墓所》、《大祖師の遺産》、《貪欲な罠》を1枚ずつ使う事は出来るよね。
一番対処が難しいのは《虚空の力線/Leyline of the Void》だけど、一番使い辛いのも《力線》だね。
もし《力線》を入れるんだったら4枚がいいよ。


対戦相手は対ドレッジに備えていただろうか?
(対ドレッジ用の)プレイングやサイドボードに用意はしてあったかな?


対策カードはそこまで多くなかったね。
もしドレッジを使って大会で結果を残せなかったなら、それはツイてなかったか、あるいは使うのが下手だったか、のどちらかだね。
何人かのプレイヤーは私に勝てるゲームをわざわざ落としてたよ。
Chris Woltereckとの1回戦第3ゲーム、彼は特に印象深いミスをしたんだ。
彼はライフが11だったのにフェッチランドを起動してしまったので私の《恐血鬼》が速攻を持ってしまった。
彼は私よりもうまいプレイヤーだったので、そのミスがなかったら私は勝てなかったんじゃないかな。


(《恐血鬼》は《碑出告の第二の儀式/Hidetsugu’s Second Rite》よろしく”10点のライフ”問題を提起する)


一般的なサイドボーディングの戦略は何?
何からサイドアウトされていくんだろう。


サイドはほんとに難しいよ。
特に決まったプランがあるわけじゃないし。
特定の対策カードが予想できるならそれに対応したカードを入れればいい。
予想できない時は以下の通り
・《不屈の部族》はマーフォーク、《相殺》、ANTにはいらない
・《療法》、《入念な研究》、《打開》はズーや42ランドにはいらない
いらないものは躊躇せずに全部サイドアウトしちゃっていいよ。
・対青についてはとりあえず《炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealot》を追加の《サディストの催眠術師/Sadistic Hypnotist》にする
・対青以外のアグロデッキには《催眠術師》を《祖神に選ばれし者/Ancestor’s Chosen》にする
対42ランドに手札破壊はいらないので《療法》2枚と《催眠術師》をまず抜いたかな。
もし《最長老》を入れてたらそれも入れるね。
代わりに《FoW》と《不毛の大地》指定用の《真髄の針/Pithing Needle》を何枚か入れる。


対戦相手のデッキ内容をあまり確認できなかった場合、第2ゲームで《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》を使うか《真髄の針》を使うかは何が決め手になるんだい?
これはドレッジプレイヤーにとって最も”読み”を要求される事のようだ。


先ほど言ったように、ドレッジを使う上で一番難しいのがサイドボーディングだ。
《虚空の力線/Leyline of the Void》は初手に無いと効力を発揮しないからそんなに人気が無いので、大抵は《針》から入れるね。
エヴァグリーンの様なデッキだと《力線》や《イクスリッドの看守/Yixlid Jailer》が使われるので話は違ってくる。
《不屈の部族/Tireless Tribe》が一番サイドアウトされやすいかな。
青くもないし、パワーがあるわけでもないしね。
もちろん対戦相手によって違うけどね。


ドレッジにとって一番相性の悪いデッキはなんだろう?

LED無しのドレッジだと白スタックスが一番きついね。
ありとあらゆる方法でこちらのスピードを遅くしてくるので、LEDの速度が必要になる。
それからスイスラウンド中2回マーフォークに勝てたけど、やっぱりキツイデッキだね。
ちょっと前にあった青単でメインに《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》入りのバージョンが最悪で、打ち消し呪文と《呪い捕らえ/Cursecatcher》のサポート付き《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》入りデッキなんて見たくもない。
相手の《行き詰まり/Standstill》が腐るってのが唯一の光明だね。


このままいけば勝てる、と思ったのに負けてしまった事ってある?

こちら側にそんな事はなかったけど、往々にして対戦相手に起きる事だね。
大抵《FoW》を1度か2度使われてこちらをスピードダウンさせた時にそうなるんだ。


上陸用に2枚の《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》を入れたって言ってたよね。
何で2枚になったの?


単純に試行錯誤さ。
《回収場》を入れてなかった時は土地をトップデッキしなくちゃいけない場面によく出くわした。
1枚入れたら今度は2枚目が必要になる場面が出てきた。
例えば初手に他の土地と一緒にあって1ターン目にプレイしなくちゃいけない、とかね。
2枚に増やしたらもうこれ以上必要になる事はなかったってわけ。


このデッキとGenCon(レガシー選手権)でドレッジが成績を残したことによって、サイドに対策カードは増えると思う?

難しい質問だね。
確かにドレッジは結果を残したけれど、それを見て対策カードを増やす事が正解ってわけじゃない。
ドレッジを使ってる少数の人が結果を残しているからといって対策カードを増やすのはバカバカしいし、特にドレッジに相性のいいデッキが増やす必要はないよ。
大会に出た時には会場の中で一番多いデッキに焦点を当てたいと思うよね。
たとえドレッジがいい結果を残しそうだとしても、おそらく使う人は少ないだろうし、対戦する可能性はあまり高くない。
スイスラウンドでドレッジと当たりそうにないのなら、サイドボードの枠を取ってまで決勝ラウンドにたどり着くチャンスを減らすことはないよね。
ドレッジを使う人が増えるんだったら対策カードを増やす事は正しくなる。
他のタイプのデッキだったら、成功したデッキは使用率が高くなることがある。
ところがコンボデッキは平行線のままだ。
時々コンボデッキが結果を残したところで、一時的には増えてもコンボプレイヤーが増えるわけじゃない。
そもそもコンボプレイヤーはアグロプレイヤーとコントロールプレイヤーよりも数が少ないしね。
予想するのは本当に骨が折れるよ。


Matthewのデッキはパワフルでなおかつ安定してる。
LEDを使ってないから、新しくレガシーを始める人のお財布にも優しいしね(ただしサイドの
《FoW》は除く)。
ドレッジは対策カードの使用率が低い上にうまく使われていないのでレガシーでは長い事一線級の活躍を残している。
素敵なインタビューをありがとう、Matthew。

ではまた来週。
原文:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/ptaus09/top8profiles

適宜補完してます。脳内補完もしてます。許してください。


①名前
②年齢
③出身地
④職業
⑤プロツアー参加回数
⑥オースティンへの参加資格取得方法
⑦GP/PTのTOP8入賞回数
⑧⑦以外にに残したマジックの功績
⑨フォマーット毎の成績は?
⑩オースティンに向けてどんな準備した?それは誰と?
⑪何のデッキをどうして使った?
⑫オースティンのエクステンデッドは何が一番使われそう?
⑬あなたのデッキにとって一番相性が悪いのは?
⑭ドラフトの戦略は何?



①Paulo Vito Damo da Rosa
②22才
③ブラジル、ポルトアレグレ
④マジックプレイヤー!
⑤19回目
⑥プロレベル
⑦GP:5回/PT:5回
⑧ブラジル選手権優勝2回、最後のインビテーショナル3位
⑨エクステンデッド:8-2/ドラフト:4-2
⑩友達のPaulo Cortezとテストプレイして多くの人と話したよ。
⑪《暗黒の深部/Dark Depths》コンボ。強いデッキだし、他のコンボへの対抗策を持ってこれるチューターも使えるしね。
⑫ズーかな。
⑬構築の仕方にもよるけど、相性が悪いのは無いかな。《幽霊街/Ghost Quarter》入りのズーか《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》入りの青いデッキはきついかもね。
⑭赤か青タッチの黒が好き


①池田剛
②36歳
③日本、福岡
④父親兼カードショップオーナー兼プロプレイヤー
⑤50回以上
⑦合計8回
⑧息子の成長
⑨エクステンデッド:8-1-1/ドラフト:5-1
⑩準備は特に無し。常連客と。
⑪ズー。好きだから。
⑫ズー
⑬《超起源/Hypergenesis》デッキ
⑭特に無し


①Hunter Burton
②24才
③アメリカ、テキサス州フォートワース
④資産があるんで働いてねえっす
⑤5回目
⑥GPシアトルでの権利繰り下がり(10位)
⑦GP:1回
⑧特に無し
⑨エクステンデッド:9-0-1/ドラフト:3-3
⑩前日の夜に5ゲームやって、その前の日に4チームドラフトやったよ
⑪ズー。特にテストしなかったし。
⑫わかんね
⑬知らね
⑭特になし


①Brian Kibler
②29才
③アメリカ、カリフォルニア州サンディエゴ
④ゲームデザイナー
⑤たーくさん
⑥PTホノルルTOP8
⑦GP:9回(優勝2回)/PT:3回
⑧97年ニューハンプシャー州ドラフトジュニアチャンピオン
⑨エクステンデッド:9-1/ドラフト:3-3
⑩Ben Rubin, Mark Herberholz, Gabriel Nassif, Pat Chapin, Michael Jacob, Dave Williams, Matt Sperling, Paul Rietzlと”計り知れない"Dan Burdickとテストしたよ。
⑪Rubinズー。対ズー、青系デッキ、親和に有利で、サイドにコンボ対策たーくさん。
⑫ズー
⑬これと言って苦手なデッキは見つかって無いよ!
⑭黒か赤、あるいは両方-できるだけアグレッシブに


①Evangelos Papatsarouchas
②29才
③ギリシャ、アテネ
④ITネットワーク技術者
⑤5回目
⑥PTQ
⑦GP:1回
⑧無し
⑨エクステンデッド:8-2/ドラフト:5-1
⑩SkounakisとPipilikと一緒に対ナヤズーと対フェアリーのテストをすんげーした。
⑪《超起源/Hypergenesis》デッキ。あんま負けなかったし。
⑫ズーとフェアリー
⑬ミラーマッチ
⑭できるだけ緑を取らない。できるだけアグレッシブに。


①清水直樹
②23才
③日本、鎌倉
④学生
⑤7回目
⑥PTQ
⑦GP:1回
⑧06年日本選手権TOP8、マジックの記事も書いてます
⑨エクステンデッド:7-2-1/ドラフト:5-1
⑩主に斎藤友晴とたくさんドラフト。デッキはほとんど自分で作りました。
⑪イオナ-ズン(発掘)。発掘は強いのに多くのプレイヤーはそこまでメタってこないと思ったんで。
⑫ズーかNLB
⑬墓地対策多めのデッキ。例えば《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》-《暗黒の深部/Dark Depths》デッキとか。
⑭単色デッキをドラフトする。


①渡辺 雄也
②20才
③日本、神奈川
④プロプレイヤー
⑤11回目
⑥プロポイント
⑦GP:6回(優勝2回)
⑧07年ルーキーオブザイヤー、日本選手権2位(09)、3位(08)
⑨エクステンデッド:7-1-2/ドラフト:5-1
⑩古淵でのドラフト、GPメルボルン、ドリームクラブ、 Deck tech、大塚高太郎、三田村和弥、中村修平。
⑪ドレッジ最高!
⑫ズー
⑬《超起源/Hypergenesis》デッキ
⑭黒か青、土地は18枚。


①Martin Juza
②22才
③チェコ共和国、プルゼニ
④航空会社のマイルコレクター
⑤16回位
⑥プロポイント
⑦GP:2回/PT:2回
⑧Nassifの彼女との生涯対戦成績0-3
⑨エクステンデッド:6-1-3/ドラフト:6-0
⑩日本で修平(中村)と日本人たちと。ドラフトはメルボルンで。飛行機大好き!
⑪POY(Player Of the Year)ズー。《暗黒の深部/Dark Depths》デッキに勝てるので。
⑫ズー
⑬オールイン・レッド
⑭攻撃的に
原文:http://www.starcitygames.com/magic/legacy/18018_Legacys_Allure_Canadian_Threshold_With_Ben_Wienburg.html


Ben WienburgはCanadian Threshold(以下CT)を使い続けて高水準の成績を残してきました。

・GP Chicago 11位
・GenCon’09とGP Bostonのサイドイベントで決勝スプリット
・Meandeck Open 2位

先週、私はBenとCTについて、スレッショルド系の中でも一番悪いとされているデッキでの連勝について話しました。
インタビューでBenはCTがいかにアグレッシブか、少ない土地(不毛の大地4枚)でどうやって回していくのかを話してくれました。


まずはデッキリストから

http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=29855


Ben、君は昔ゴブリンをよく使ってたよね。どうしてデッキを変えることになったのかな?

僕はMTGを始めた時からゴブリンを使い続けてて、GP Detroit(’03)ではTOP32に入ったんだけど、どんなメタゲームであっても必ずしもいいデッキというわけじゃなかった。
Tom LaPille(GP Charlotte 05 Top8)はExtendedのプロツアー級のイベントでゴブリンを使って0-10とかしてるしね。
問題なのは個々のカードパワーの低さだ。
もちろん《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》や《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》、《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》は良いカードだ。
《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》は1/1だけど必要なゴブリンを持ってこられるし《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》もそうだ。
それらは別としても、他のカードがいまいちなのは否定できないね。



CTは国境の北側(カナダ)で特に人気があったけど、君はどうして使うようになったんだろう?

地元の店の皆がCTは良いデッキだと言ってたんだ。
そんなに強くないっていう意見もあったけど、テストしてみた感触はよかった。
Extendedでひどい目にあったから《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》/《相殺/Counterbalance》は使いたくなかったしね。
《独楽》は大好きなカードだけど、(相殺で)ロックするのは好きじゃない。



多くのCTプレイヤーはメインに2枚のバウンスを入れてるけど、君はそのスペースにずっと《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》を入れてるね。
その辺を少し話してくれるかい?


Chicagoへの準備の時、ANTがもっと多いと思ってたので手札に干渉できる何かが欲しかったんだ。
バウンス、特に《急流/Rushing River》は《相殺》にはあんまり効かないしね。
《三人集》は本当に強いクリーチャーだよ。
飛んでる上に手札が覗けるから次に何が来るか分かるしね。
それで火力を相手に撃つか、待った方がいいのか判断できるようになるんだ。



《剣を鍬に/Swords to Plowshares》のために白を入れたり、NewLevelBlueよろしく《闇の腹心/Dark Confidant》を入れてたりするデッキと比べて、《稲妻/Lightning Bolt》を使ってるCTはそんなに強そうに見えない。もちろんそんな事はないんだけど、私は何を見逃してるんだろう?

《剣を鍬に》は本当に必要ってわけじゃない。
このバージョンは安定した結果を出してくれている。
David Caplan(GP Chicago Top8)と僕は良い成績をとり続けてるしね。
このデッキは《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》が本当に強くて、《燻し/Smother》を抱えたままの対戦相手を何人倒してきたか分からない。
僕はカードを引ける《腹心》も大好きなんだけど、《稲妻》はクリーチャーを焼けるし、それはカードを引き増す事より大事なことなんだ。
火力は重要だよ。相手が自分の《タルモ》でこちらの《タルモ》をブロックしない事が良くあるんだけど、それは僕が火力を持ってるかも、って思うからなんだ。
とりあえず攻撃してみて、もしブロックされなかったらしめたものだ。次のターンも攻撃に行くだけさ。




GenConとMeandeck Openでデッキリストの変更点はサイドの《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》1枚だけだった。
サイドボードのカードはほぼ固定されているのか、それともメタゲームに合わせて作り直しているのかな?


サイドはほとんど決まってるし、それで大抵はうまくいくんだ。
《紅蓮破/Pyroblast》は《渦まく知識/Brainstorm》や《思案/Ponder》を打ち消せる。
《水没/Submerge》は《墓忍び/Tombstalker》デッキにゲロつよ。
《霊気の薬瓶/AEther Vial》の入ってるデッキには《呪文嵌め/Spell Snare》を抜いて、《三角エイの捕食者/Trygon Predator》と《クローサの掌握/Krosan Grip》を入れる。
ゴブリンとマーフォークに《嵌め》は効かないしね。
《三角エイの捕食者》はナイスカードだ。部族デッキは《薬瓶》がないと動きが鈍るからね。
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》に関しては、装備したクリーチャーを焼き尽くして起動させにくくするのさ。



サイドの対ドレッジ用のカードが1枚しかないけれど、それでもGenConでは結果を残せたね。
デッキをどんな風にプレイしたか思い返してもらえるかい?
それともドレッジはCTにとってそんなに悪いマッチアップではないのかな?


ほぼ互角、ってところかな。
《マングース》をブロッカーに使えば《黄泉からの橋/Bridge from Below》を取り除く事が出来る。
《タルモ》は大抵6/7になるし、共鳴者は火力で除去できる。
トーナメントで対ドレッジは3-1だったけどそのうち《墓所》で勝てたのは1回だったかな。
他は全部《タルモ》を2体並べて勝ったよ。
ドレッジはディスカード手段に頼りがちなので、そこに《FoW》が刺さると相手は発掘できないで通常ドローを続けることが良くあるんだ。
それからクリーチャーで殴るために《紅蓮地獄/Pyroclasm》でゾンビ・トークンを流すこともあるよ。



多くのスレッショルドが《独楽》と《相殺》を採用してるね。入れなくていいの?

《独楽》は入れたいね。でも《相殺》はこのデッキには合わないんじゃないかな。



CTにとって最悪のマッチアップはなんだろう?

スタックスとドラゴンストンピィへの勝率が最も悪いね。
CTは《血染めの月/Blood Moon》と《三なる宝球/Trinisphere》には対処できないんだ。
バウンスを入れるのはそれらのためだと思ってる。
でも、今その二つのデッキはそんなに見かけ無いよ。
《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》と《剣を鍬に》、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》、《独楽》が一緒に入ったデッキにも当たりたくないかな。
これらが組み合わさると、こちらのやることが全部無駄になっちゃうんだ。



これからは対策カードを目の当たりにするんだろうけど、何をプレイされるのが一番嫌かな?
CT対策として、対戦相手は何を用意してくるんだろう?


《窒息/Choke》は厄介だけど、クリーチャーを出せれば問題はない。
よく島をアンタップする目的で《目くらまし/Daze》をプレイしたりするよ。



CTのマナ妨害戦略はすごく強いんだけど、土地が少ない上に《不毛の大地》を4枚も使ってる。マナが足りないとは思わなかった?
ついでに、相手の《不毛》はどのくらい効き目がある?


マナ不足には時々なるけれど、土地を効果的に使えばいいのさ。
色マナに関する土地が14枚しか入って無いけれど、特に問題はない。
毎ターン土地を置く必要が無いので、フェッチランドをすぐ使わずに取っておくことがよくあるんだ。
ひどい初手の例として、土地がフェッチ1枚と《不毛》1枚でキープなんて場合。
大抵《Tropical Island》を持ってきてそれで正解なんだけど、《Volcanic Island》がいい時も結構ある。
マナが問題になることはそんなに無かったかな。
《渦まく知識》を(土地を探す為に)使ったあとで、土地を置けなくてもそんなに気にならないしね。
《不毛の大地》はよく効くけど《もみ消し》で対応できるからね。
GenConの準々決勝、1ゲームを《不毛》で落としたんだけど、それは相手が序盤にまったく《不毛》を見せなかったからなんだ。
その時はしてやられたと思ったよ。
手札に《もみ消し》があって相手に《不毛》があることを知ってるなら、《もみ消し》を取っておくか、使われても被害を最小限にするようにしてるよ。



サイドボーディングはどういう風にしてる?
《もみ消し/Stifle》や火力はボードアウトするのかな?


後手なら、あんまり効果のない《もみ消し》と《目くらまし》は抜ける。
《紅蓮波》は《目くらまし》の代わりに、《水没》は《稲妻》の代わりに入れる。《三角エイ》は《三人衆》で、《掌握》はあまり効きそうにない何かと。
相殺デッキに対しては、火力で決着をつけづらいので(火力を)抜いてしまう。そもそもクリーチャーに依存している、っていうのもあるけれど。
《紅蓮波》は打ち消しの応酬に勝てたりRWMを除去できるナイスカードさ。



《霧深い雨林/Misty Rainforest》はCTに何か影響しそう?

《真髄の針/Pithing Needle》対策に1枚挿しはできるけど、それってたいした事じゃないよね。
今までだって《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》を出してゴブリンやサバイバルっぽく振舞いつつ《もみ消し》を構えることはできたわけだし。
残念なのは《相殺》デッキが《雨林》で基本地形の《森/Forest》を使えるようになることかな。
今までは《タルモ》を《水没》させてから《Tropical Island》を《不毛》で割って緑マナ不足にさせる事ができたんだけどね。



CTはちょっとした時間稼ぎで相手に呪文を使わせないうちに勝つデッキだね。
他のフォーマットで優秀なプレイヤーにとって、それはやりがいのあることだろうか?


CTが悪いデッキだとは思わないけど多くの人はそうは思っていない。だからみんなCTGを使うんだよね。
その他の人も、CTが酷いデッキだと思って考慮すらしない。
でも、このフォーマットは使いたいデッキを使えるのがいい所なんだし、それはどんなデッキにだって言えることだよ。
Tommy Kolowith(GP Chicago Top8)はANTが弱体化するまで使って、今はドレッジを使っている位だからね。
CTを使う際に注意して欲しいのはスペルを安易に使ってしまわないことだ。
例えば、僕は《渦まく知識》を4ターン目か5ターン目に本当に必要になる時まで取って置く。
《知識》を1ターン目に使ってフェッチと組み合わせない人がいるよね。
僕はできるだけフェッチを引くまで《知識》を使わないようにしてるんだ。
それから、CTのマナベースをフェッチ8枚、デュアルランド6枚に変えるよう言及されてた事があるけど、《不毛》や《Sinkhole》を使われて4枚目の《Tropical Island》を探せずに負けた事が何度かあるから止した方がいい。
フェッチランドは本当にいいカードなんだけど、より重要なのはスペルを唱えられることのほうだ。
(フェッチとデュアルランドを)7枚ずつにする、って言う手もあるけどね。
基本地形は、入れてみようとしたらスペースがなかった。
(基本地形では)何にもできないんだ。
《島》じゃ緑のクリーチャーを出せないから、《血染めの月》対策としても心許ないよ。
基本地形を入れてる人には、正直、もうデュアルランド使ってくれって言いたいね。



どんなカードがミラーマッチやほぼミラーマッチのスレッショルド系デッキで重要?

ミラーマッチでは土地が3枚か4枚ある初手をキープすべきだ。それ以下の枚数だと、最終的にこちらのパーマネントが全て無くなってしまう可能性がある。
他のスレッショルド系デッキには《水没》が非常に効果的かな。
クリーチャーを先に出してそれに対処させるのも良い。
《呪文嵌め》は大抵のデッキに刺さるよ。CTにとって唯一対処できないクリーチャーが《敏捷なマングース》だ。
《渦まく知識》と《思案》で先にスレッショルドするのが何より大事だね。
基本的に、多目の土地、《目くらまし/Daze》の活用、クリーチャーでのアタックが重要になってくるね。



GenConのカバレッジがほとんどなかったけど、スイスラウンドについて話してもらえる?

2回戦のドレッジに負けたけど、そこから勝ち続けて最終戦のスタックスとIDしたんだ。
対戦相手はサバイバル、Zoo、《自然の秩序/Natural Order》入りスレッショルド、それから《相殺》が何度か。
確か毎回違うデッキだったはず。
もう大会からは時間が経ってるし、長い一日だったからあんまり覚えてないや。
準々決勝は青黒緑《相殺》との対戦でG1を取られたけど、なんとかG2とG3を取り返したよ。
確か《Force of Wil》が2枚、青い何か、《不毛》、《紅蓮波》のある初手をキープしたんだ。
勝てて嬉しかったね。
準決勝はCaplanとのミラーマッチだった。
主観だけど、彼はG2とG3にちょっとした間違いをして、それが結果に響いてしまったんだ。
一番きつかった対戦はランドスティルかな。
確か、残りライフ8点を火力で削らなきゃいけなかった。
Caplanとは彼のデッキを知っていた(特に《撹乱/Disrupt》が入ってる事とか)から対戦するのが楽しみだったよ。



GenConとMeandeck Open(以下MDO)で多くのスレッショルドプレイヤーを倒してきたよね。
CTはもみ消しと不毛の大地がある分だけ有利なのかい?


どちらかといえばYesかな。
MDOでは2枚の《貴族の教主/Noble Hierarch》を《火/Fire》で焼いてそのまま勝った事があったよ。
《不毛》で土地を割って《もみ消し》でフェッチを打ち消したら、彼はもう何にもできなかったんだ。
それから《独楽》はなるべく《Force of Wil》するようにしてたよ。
《独楽》とフェッチ頼みの初手をキープするプレイヤーがなんと多いこと!
こちらよりも多くの土地とクリーチャーを引かせてくれるWild Draw Fourは《独楽》だけさ。



GenConで一番きつかったマッチアップは何だった?Meandeck Openのもついでにお願い。

GenConだとPrelim(前日に行われる前座大会)の準々決勝で、MDOも準々決勝かな。
両方ともキツかったね。
MDOは接戦ばかりだったんだ
スイスラウンドで楽勝だったのは一度くらいで、後はみんなギリギリの試合だった。
ある白黒緑《墓忍び》デッキとの対戦。
2G目、相手には2体の《腹心》がいて傍目には彼が勝ちそうだった。
ところが彼のライフはのこりわずか6。
1体目の《腹心》が2マナのカードをめくったので、もう1体の能力がスタックに乗ったところで先に解決したほうに《水没》。
残りライフを2にしてそのまま勝てたんだ。
《水没》が火力になったゲームだったね。



対戦相手にされてこりゃ負けたなーと思ったプレイはあった?

GenConの準々決勝でTim Huntに《不毛》を使われた時は唯一やばいと思ったね。
(《不毛》が)入っていないと思い込んでたから、使われた時は何をされたのかわからなくて頭がどうにかなりそうだった…
それから、GenConのPrelimでランドスティルを使っていたJohnは《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》の使い方が完璧だった。
例を挙げると、僕が《マングース》で攻撃したときに、彼は《詠唱》を打ってから《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》を起動してきた。なのでブロッカーを焼けなかったんだ。
彼は本当に上手かったけど、最終的に火力で止めをさせたよ。



火力をクリーチャに使うか、あるいはプレイヤーに使うかをどういう風に考えてる?

対青にはプレイヤーのために取っておくけど、対サバイバルだとクリーチャーを焼き続けるね。
対Zooはクリーチャーを除去しなくちゃいけないし、向こうはこっちを簡単に火力で焼けるから火力での一押しも必要になるんで難しくなるね。



大会の前にどのくらいテストした?
君はPTQサーキットでも有名だけど、PTQでの経験はレガシー環境でも生きているのかな?


僕は緊張感のある試合に慣れている。
デッキを変えようかとも思ったけどGP Chicagoからずっと使い続けてるし、結果も残せてるから結局変えなかったんだ。
環境が変化したわけでもないし、殆どのデッキはシカゴからそんなに変わってない。
大抵のデッキに革新的な変更は起こりうるんだけど、 まだそれは起きていない。




環境ではあまり評価されていないデッキで活躍を続けるBenに謝辞を。
特に、彼の愛するベンガルズ(NFLのチーム)が負けた直後だったにも関わらず質問に温厚に答えてくれたことを付け加えておく。
もしデッキについて質問があるならメール(ただし英語で)かフォーラムに送ってね!

それじゃまた来週。

Doug Linn

legacysallureあっとgmailどっとcom
原文:http://www.starcitygames.com/magic/misc/17220_So_Many_Insane_Plays_Reflections_on_Chicago_The_JanFeb_Vintage_Metagame_Report.htmlから一部抜粋


Round 8: Taishi Kobayashi with CounterGoyf Japanese variant

私は日本人と対戦するのがいつだってとても楽しいから大好きなんだ。
彼らのほとんどは英語を少ししか話せないけど、マジックは世界共通言語だ。
ダイスロールに勝ったタイシは先手を選択。
正直この対戦はとってもわくわくしてたよ。
つい大きな声で「キ-プ」って言っちゃう位興奮してたんだ。
タイシは同じように言ってきたし、私が「アンタップ、アップキープ、ドロー」って言ったら同じようにしてきた。
これだよ!これがいいんだ!
タイシはケンジ(津村)や他の日本人プレイヤーがするようなしぐさ(少し強調されてるけどね)を見せてくれたんだ。


G1

彼は最初のターンに土地を追いてエンド。
私は土地を置いて思考囲いをプレイ、手札は信じられないようなものだった。

《汚染されたぬかるみ/Polluted Mire》
《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》
《渦まく知識/Brainstorm》×2
《闇の腹心/Dark Confidant》
《タルモゴイフ/Tarmogoyf》

正気とは思えない手札だったよ。
私は何を落とすか考えた、確か腹心を落としたと思う。
彼は囲いをトップしてすぐさまプレイ、ソープロが落とされたかな。
どうやらこのゲームはシーソーゲームらしい。
私の相殺とタルモはカウンターされる。
そんでもって彼はタルモを場に出してくるけれど、私は除去を引けなかったので、6/7になった緑色した憎いやつの前に腹心2体と3人衆を立ちはだかせるしかなかった。
3人衆の能力はもみ消されたけどこれは好都合だった。
その後に思考囲いしたハンドは次の通り。

ドレッドノート×2
《幻視の魔除け/Vision Charm》
土地×2

ジャッジを読んでフェイジングの挙動について尋ねた。
答えをもらった後でもう一つ、フェイズインした時に場に出た時の能力は誘発するのかどうかを質問した。
答えはNO。
ここで我らが日本人の対戦相手は私がこのコンボについて知っている事に気が付いていたと思うけど、魔除けをライブラリーの底に送る事にした。(ポマ注:囲いと3人衆間違えてんぞ)
魔除けはドレッドノート用の追加のもみ消しとして機能するナイスなカードだ。
魔除けはとても日本っぽいカードだし、事実日本人がデッキに入れている。

お互いに手札がなくなってトップデッキモードに入り、墓地は堆くなっている。
タイシはドローする前に黙って祈るように目をつぶり、良いカードを引けるようにこぶしをライブラリーの上で握っていた。
私は土地を引き続け、彼もまた土地を引き続ける。
私は何度か《Force of Will》を素打ちした。
そのうちもみ消しか魔除けを引かれてドレッドノートが出てくると思っていたけどそうはならなかった。
結局彼は《タルモゴイフ》を引き、私は対処できる何かを引けなかった。
《三角エイの捕食者/Trygon Predator》は一枚引けたけれどチャンプブロッカーにしかならず、《タルモゴイフ》に殴り殺された。

時間をやたら使った1ゲーム目を落としたのは残念だった。


G2
私の初手は1ターン目に囲い、2ターン目に腹心、3ターン目に《タルモゴイフ》か相殺を出せる完璧なものだった。
このゲームは手っ取り早く片づけられると確信したね。
それに応じたのかタイシはダブルマリガン。
彼は土地が2枚しか出せずにいたけれど、何とか腹心を場に出し、それで思ったよりも決着まで長くかかってしまった。
第2ゲームが終わった時点で残された時間はおよそ10分になっていた。


G3
彼が1ターン目に思考囲いで私の腹心を捨てさせたが、ここで目くらましを見られている。

私も囲いをトップし、見た物は

もみ消し
《タルモゴイフ》×2
ドレッドノート
《汚染された三角州/Polluted Delta》

もみ消しか《タルモゴイフ》を落としたはず。

トップデッキした腹心をプレイ。
この時点で、こちらに勢いが来ているとみていた。
ところが我々に残された時間が数分しかない。
私の《目くらまし/Daze》で彼は《タルモゴイフ》がプレイできないので彼は一ターン待つ。
これで私の囲いで《タルモゴイフ》を落とす猶予が生まれた。
腹心が《独楽》をめくり、もう一枚の腹心をドロー。
時間に追われて私は素早く腹心をプレイ。
場に置いた腹心から手を放す直前に私は自分の犯したミスに気付く。
このままでは私を食らい尽くす《タルモゴイフ》をプレイされてしまう。
私はカードを沢山手に入れたが、彼は《タルモゴイフ》で流れを引き寄せた。
私はゲームを掌握していたはずなのにそれはすべて逆側へと移っていった。

《渦まく知識/Brainstorm》を打ち、フェッチランドでデッキをシャッフルし、《独楽》で見てまたフェッチでシャッフルしてクリーチャをかき集める。
《タルモゴイフ》を腹心でチャンプブロックし、三人衆を手札に残しつつ三角エイをプレイ、状況を五分に持ち込んだところでタイムアップ。
観客からすれば、私が最後の数分により積極的に攻撃していれば-思考囲いで大失敗していようと-もしかすると勝てていたんじゃないかと思うだろう。
何であろうと、タイシと私は引き分けたことにより2日目への権利を失った。
彼に勝利を譲ってくれと依頼する気は全くなく(もちろん彼も)、我々は次の試合へと進んだ。
原文:http://www.starcitygames.com/magic/legacy/17528_Legacys_Allure_Ride_The_Snake_Lorescale_Coatl_In_Action.html

《知識鱗のコアトル/Lorescale Coatl》はワンチャンスあるかもしれない事についてこの数週間話してきた。
そろそろどんなデッキに《コアトル》を積めばいいか考える作業を始めよう。
まずはこの動画(http://video.yahoo.com/watch/460399/2541309)を見てこの記事のタイトルについて知ってもらおう。
正直まだ調整途中なんだけど、この記事の目的は(願わくば)良いデッキを披露する事とデッキ構築の過程を見せる事だから問題ないよね。

基本から話していこう。
何で《コアトル》をデッキに入れたいのかって?
最初に思い浮かぶのはあっという間にすごく…大きくなるからで、それは勝つ前に少しだけ場をコントロールできれば済む事を意味する。
最近、Patrick Chapinがスタンダードはいかにミニコンボに溢れているかについて書いていたけど、レガシーにも《渦まく知識/Brainstorm》、《思案/Ponder》、その他沢山の《コアトル》とミニコンボを織り成すカードがそろっているね。
しかも《コアトル》はコンボにぴったりの色とコストだ。
他の3マナコストのファッティ(《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》、《田舎の破壊者/Countryside Crusher》、《土を食うもの/Terravore》)と違ってサイズを大きくするために何か用意する必要もないし、専用のデッキを組む必要もない。
そんなわけで《コアトル》をホイホイと4枚デッキに入れちゃったのだ。

次にレガシーで青を使うなら確実に入る《Force of Will》、《渦まく知識/Brainstorm》、《思案/Ponder》を入れた。
さて、ここで私は昔のエクステンデッドのミラクルグロウの事を調べ始めた。
当記事を書く際、この記事(http://www.wizards.com/default.asp?x=sideboard/strategy/sb20020124b デュエリストジャパン#17に日本語訳掲載)はとても参考になった。
グロウデッキに注目したのは、コアトルデッキと目指す方向-マナコストの低いクリーチャー+キャントリップ+打ち消し呪文での時間稼ぎ-が似通っているからだ。
《壌土からの生命/Life from the Loam》や《森の知恵/Sylvan Library》を使う《コアトル》デッキは大きくするのに余計な時間、マナ、カードスロットを使う事になるので、グロウデッキに入れるのが一番と判断した。
それからとても強力なカード-《冬の宝珠/Winter Orb》-を発見した。

《冬の宝珠》に関しては最近何度か書いたが、グロウデッキでこそ真の輝きを放てるだろう。
私はこのカードこそコアトルデッキの肝だとにらんでいる。
一方で、《相殺/Counterbalance》と《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を《コアトル》と仲間たちを守ったり長期戦でゲームをコントロールするために使う人もいるだろう。
同じように《誘惑蒔き/Sower of Temptation》と《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》を使うデッキもある。
グロウデッキにはゲームをスロウダウンさせる何かしらが必要なので、《相殺》やら何やらでコントロールする代わりに《宝珠》を入れてみたんだ。
対戦相手が《爆薬》を《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》で使いまわし始めたら《宝珠》を置いて《廃墟》を使えなくしてやろう。
《独楽》とミシュラランドもほぼシャットダウンさ。
それから《目くらまし/Daze》もより効果的になるし、コアトルの3マナというコストは《冬の宝珠》とそこまで相性が悪いものでもない。
スーパーグロウは4マナの《秘教の処罰者/Mystic Enforcer》をフィニッシャーとして使ってたので(《噴出/Gush》がマナを増やす手助けになってたけどね)、先例が無いってわけでもない。
この段落をまとめると、コアトルデッキに《独楽》か《宝珠》のどちらかは必要だけれど、両方入れるとひでーってことかな。

《宝珠》のために《独楽》と《相殺》は抜けたので、もう4枚スペースが余ってる。
今回はここに《選択/Opt》を入れて土地の枚数をごまかしてみた。
《選択》が《血清の幻視/Serum Visions》より良い選択なのかどうかは自信がないが、「カードを引く」の一文から《手練/Sleight of Hand》よりは強いだろう。蛇をおっきくできるし。

さて、コアトル以外のクリーチャーを考えよう。
脅威が4枚だけでは《根絶/Extirpate》や《相殺/Counterbalance》やらに完封されてしまう危険性がある。
《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が頭をよぎったが、今回は《クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad》を代わりに入れてみた。
こいつだってなかなか魅力的な緑ちゃんだ。
ドライアドもあっという間にタルモを圧倒するサイズになれる。
最初は確かに頼りないサイズで、大きくなるのにも援助が必要だが、青のインスタントでコンバットトリックを使える点が私の好みなんだ。


次は除去と3色目を加える可能性について話そう。
以下各色の利点と欠点を述べる。

青緑2色
この色で使用可能な除去は《送還/Unsummon》、《ブーメラン/Boomerang》、《残響する真実/Echoing Truth》くらいかな。
正直この3種類じゃメインに4枚入れる危険は冒せないね。
サイドボードの幅も相当狭まるだろう。

青黒緑
この色を使う一番の理由は《殺し/Snuff Out》をメインで使えることだ。
他に《夜の囁き/Night’s Whisper》も使えるし、サイドには《次元の狭間/Planar Void》や《根絶/Extirpate》といったカードも使える。
本当は《宝珠》の下、ピッチで《殺し》を使えるから黒を散らしたかったんだけどね。

青赤緑
メインデッキに入る除去は《火+氷/Fire+Ice》になるだろう。
青いカードが増えるし、ブロッカーをタップさせた上に《コアトル》を大きくできて、そのうえ《闇の腹心/Dark Confidant》も除去できる。
《紅蓮破/Pyroblast》と《紅蓮地獄/Pyroclasm》をサイドに取れるのもポイントが高い。

青白緑
昔のエクステンデッドに戻るけど、白を散らせば《剣を鍬に/Swords to Plowshares》や《流刑への道/Path to Exile》をメインに入れられるし、お望みなら《翻弄する魔道士/Meddling Mage》も思いのまま。サイドには《静寂/Serenity》を入れることだってできる。

結局《剣を鍬に》が本当に強いもんだから、白を選ぶことにしたさ。
《剣を鋤に》で十分だとは思うけど、黒を選んで《殺し》を使いたい衝動を抑えるのに必死だったので、もしかするとまた変えるかもしれない。
《火/氷》でターン終了時に《宝珠》をタップしたくて、赤にも未練は残ってるんだ。
決定が覆ることは大いにありうるんだけど、白以外の色にするには何かしら理由が必要だね。
《翻弄する魔道士》を使っていないのは実際には役に立たなそうだからだ。
《魔道士》で指定する第一のカードは《剣を鋤に》なんだと思うけど、そうすると自分で使えなくなってしまうのがいただけない。
それに止めなくちゃいけないカードを指定できない可能性もある。
もちろん相手の《Hymn to Tourach》を封じ込められるのは素敵だけれど、それって本当に必要なことかな?多分違うよね。

さて9-12体目のクリーチャーとして《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》を昔のリストから引っ張ってこよう。
遅いし弱っちいし役にたたなそうだけど、こいつは昔と変わらずとっても役に立つんだ。
《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》を使う手もあるけれど、戦闘フェイズの前に”物あさり”して《コアトル》を育てたり、キャントリップを引いて《ドライアド》を大きくできたりするから、もう1,2点ダメージを上乗せできる結果につながる事がよくあるのさ。
建前として、《Moat》が場に出ているとかで攻撃に使えない時でも起動できるからって言えるけど、まぁ建前だよね。
擬似《闇の腹心/Dark Confidant》として毎ターンカードを余分に引かせてくれるから、《物あさり》には満足してるよ。
グロウデッキは毎ターン通常ドロー以外のカードにアクセスできないと被害を蒙り易いので、”物あさり”効果は間違いなく必要だ。
様々なタイプのグロウデッキが結果を残したのはそういったカード探索能力の賜物だろうね。
もしもっと「物あさり」を入れたいのなら《思考の急使/Thought Courier》がその手助けになるよ。
"物あさり"効果がどれほど役に立つものか、デッキに《物あさり》を6枚以上入れてもいいものなのかテストするつもりだ。

私がリサーチしていたらひときわ輝く宝石-《妨害/Thwart》-に出会った。
すぐにデッキに2枚入れてみたんだけど、この発見は本当に嬉しかった。
土地が3枚場にあれば、(どっちみち《冬の宝珠》で失ってる)テンポをちょっと乱す以外には何のリソースも無しに相手の呪文を打ち消せるからね。
大きくなった《コアトル》を《妨害/Thwart》で守る、って場面にも時々出くわすだろう。
かといって3枚入れる気には早々なれないけど、《渦巻く知識》でリシャッフルしたり《ものあさり》で捨てたりできるから死札にはならないと思うので試しては見るつもりだ。
《コアトル》か《ドライアド》をプレイするまでに時間がかかってしまうので、《妨害》で土地を3枚戻す前にクリーチャを出しておかなくちゃいけない。
このため、何を《妨害》するかを吟味する必要がある。
《妨害》はあまり使われていないけれどもこれから輝き始めるカードだ。
一番いいのは大きく育ったクリーチャーを守ったり、ゲームの流れを一変するカードを打ち消した時だ。
ピッチで打てる確定カウンターの数が4枚から6枚以上になればより確実に"蛇に乗って"勝てるだろう。
※ポマ注 この後《妨害/Thwart》に関する冗談について書いてあるけれど日本語だと解り辛いので省略。

デッキリストの最後の数枚は《狡猾な願い/Cunning Wish》で埋めてみたんだ。
《冬の宝珠》と相性が悪いし、《妨害》とはもっと悪いにも関わらず、《願い》を入れたのは何故か?
キャントリップはもう十分入ってるので、ゲームが長引いた時に決定打になるものを入れたかったのが一つ。
おそらくゲームが長引けば長引くほどチャンスは少なくなっていくはずだ。
対象として、肝心要なもの(《クローサの掌握/Krosan Grip》・《Berserk》)、理にかなったもの(《水没/Submerge》・《妨害》)、試してみたいもの(《陥穽/Ensnare》・《シャドーの裂け目/Shadow Rift》)を用意した。
《妨害》を”願う”ことによって打ち消し呪文の数をごまかす考えは元からあったんだ。
サイドをあまり使いたくないので、《願い》の対象は4~5種類になるだろう。
《願い》はデッキ内で最も応用の利くカードだ
《シャドーの裂け目》は自分のすごく・・・大きなクリーチャーを通すか、厄介なブロッククリーチャーを役立たずにしてしま事うから私の心を掴んで放さない。
2枚くらいならメインで使っても問題ない様な気がするけれど、多くの場面で全く役に立たないだろうから、メインでの優先順位としては《血清の幻視/Serum Visions》とかの下になるので、実際は《願い》で持ってくるのみだ。

マナベースは16~18枚で十分だ。
最終的には8枚のフェッチランド、4枚の《Tropical Island》、2枚の《Tundra》、2枚の《島/Island》に落ち着いた。
リストとしては下記の通り。

4:《知識鱗のコアトル/Lorescale Coatl》
4:《クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad》
4:《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》
4:《Force of Will》
4:《目くらまし/Daze》
4:《渦まく知識/Brainstorm》
4:《思案/Ponder》
4:《選択/Opt》
2:《狡猾な願い/Cunning Wish》
2:《妨害/Thwart》
4:《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
4:《冬の宝珠/Winter Orb》
4:《汚染された三角州/Polluted Delta》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4:《Tropical Island》
2:《Tundra》
2:《島/Island》

サイドはこんな感じでいいと思う。

4:《無効/Annul》
4:《水没/Submerge》
4:《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1:《Berserk》
1:《クローサの掌握/Krosan Grip》
1:《妨害/Thwart》


《大祖始の遺産》に関して、《ドライアド》を使っていることからメインの墓地対策に使っても良いかもしれない。
これもテストが必要だけど、その時は《狡猾な願い》と何かを数枚(おそらく《選択》)切って《遺産》を4枚入れるつもりだ。
《タルモ》を小さくできるし、メタゲーム上予想されるデッキの多くにも効果的なんじゃないかな。
《冬の宝珠》があるので、《寒け/Chill》は赤いデッキを遅くできるし、バーンにもワンチャンス生まれることからサイドボードの候補にあがるだろう。

近い将来、デッキのテスト結果と更なる調整の発表、それから読者からのフィードバックでこのデッキはより協力になっていくはずだ。
フォーラムやメールで、このデッキへの意見や使用感、あるいは他の《コアトル》デッキの感想を忘れずに教えてほしい。
グロウは歴代のデッキの中でもかなりのお気に入りなのでまた使えるってのがとっても嬉しいし、お気に入りカードの《撹乱/Disrupt》をどこかに入れられる可能性があるのもなお嬉しい。

さて、最後にもう2枚の隠された宝石-《海の歌姫/Seasinger》と《威圧するリシド/Dominating Licid》-を紹介しておこう。
前者はサイドから投入すれば多くのデッキに絶大な効果が期待できるし、もし相手に使われてすぐに除去できないようであればその歌声は耳を塞ぎたくなるものになる。
《威圧するリシド》は先日私のクズレアバインダーから発見され、再評価したものだ。
アンタップした《リシド》と4マナがあればクリーチャーを奪え、そのクリーチャーが除去されても《リシド》は守れてしまう。
カードタイプを変更しつつ再利用できる除去なので、対戦相手の《剣を鍬に》や《帰化/Naturalize》が役に立つのは限定的な状況に限られてしまう。
これは《ドルイドの誓い/Oath of Druids》のゲームプラン(まずはエンチャントとして、その次のターンはクリーチャとして脅威になる)に似ていることからも、私の好みのカードだ。
《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》より良いものかだって?
《島》を沢山要求されずにコストが低くて大きいクリーチャーを奪えるから多分そうだろう。
青ベースのアグロコントロールのニッチな要求を満たしそうなので、私はもう既に両方とも4枚揃えたよ。

それじゃまた来週。

Doug Linn
legacysallure@gmail.com(英語のみ)
原文:http://www.starcitygames.com/magic/legacy/17431_Legacys_Allure_Gauntlet_of_Power.html

レガシーの環境は刻一刻と変化していく。
私がこのフォーマットにおいて最も楽しいと思うことの一つがデッキ構築だ。
講義を受けている時、バスに乗っている時、夜眠れない時に手軽にできるからね。
そんな時に思いついたデッキは実際には良い物なのだろうか?
今週はそんなデッキのためのストレステスト用のデッキ集を見ていこう。
新しいデッキの紹介じゃなくて、新しく思いついたデッキがレガシーの普遍的なデッキに対抗できるかどうかの試金石としてのデッキ集だ。
大会で対戦し得る全てのデッキとのテストはほぼ不可能なので、これはお得な方法だと思うよ。

今回のデッキ集には実際に大会では当たる事が稀なリストも含まれている。
例えばANTだけど、大会で《苦悶の触手/Tendrils of Agony》入りのデッキとの対戦はあまりないんだ。
だからといって2ターンキルだけじゃなく、手札破壊やマナ疎外を受けていてもトップデッキが勝ちに繋がってしまう事を知っておくのに意味はあるだろう。
なるべく簡潔に、それでいてこれさえ試しておけば大会に行った後でも十分に準備できたと感じるようなリストを作るのには少々苦労したよ。
例えばエンチャントレスのようなデッキとのテストプレイは役に立つんだけど、時にサイドボーディングを歪めてしまう事がある。
エンチャントレスをやっつけたいと思うあまり、他には役立たずの《恭しき沈黙/Reverent Silence》を3枚サイドに入れて大会に参加してしまうかもしれない。
したがって、デッキ集はあくまで一般的なものであり、脳内サイドボードをより役立つものに変えていくだろう。
今回のデッキ集から利益を得るにはサイド後のデッキとテストするのが一番の方法だ。
効率的なテストプレイ方法を言っておくと、最低でも10回はメインボード戦をして、それから同じくらいサイド後でするんだ。
これならいちいちサイドボーディングをしなくて済むからね。
それじゃあデッキ集を見ていこう!


マーフォーク
http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=28341

何でマーフォークとテストしなくちゃいけないのか?
マーフォークは昔のフィッシュデッキのように(取るに足らない)クリーチャーでビートダウンしつつ圧力をかけてくる。
圧力をかけ続けることは大半のアグロコントロールデッキとの対戦が楽になり、《行き詰まり/Standstill》のような呪文がプレッシャーの後押しになる。
マーフォークはますます一般的になっており、数々の除去呪文にも対応してきている。
アグロコントロールに対して有利なのか、あるいは不利なのかに関わらず対マーフォークのテストはやっておいて損はないけどね。

テスト結果から何を得られたかって?
もしあなたのデッキがマーフォークの予想GUYなクロックの速さを受け流せたのなら、ゴブリンやエルフといったちょっとした妨害入りの他の部族デッキとの対戦にもチャンスがあるといえる。
もし対戦結果が悪かったのなら、プレイスタイルを見直してみよう。
《目くらまし/Daze》に無防備になってたりしないかな?
ライフをリソースとして気にしすぎてたり、効果的な呪文をただ使っているだけになってたりしないかな?
例えば何点かダメージを余計に喰らってでも《滅び/Damnation》(他にも《破滅的な行為/Pernicious Deed》やら《神の怒り/Wrath of God》やら)を打ってから《剣を鍬に/Swords to Plowshares》で後続を討ち取る代わりに、ライフを大事にして《剣を鍬に》を先に打ってから効果がいまいちな《滅び》を使う、ってな風に。


ドラゴン・ストンピィ
http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=28342

何でドラゴン・ストンピィとテストしなくちゃいけないのか?
第1に、対ドラストの経験を積む、ってのがある。
最近結果を残してきているし、グランプリシカゴでもトップ4に残ったし。
(鹿賀丈史風に)Dave Williamsからの情報が確かならば、Bazaar of Moxenのレガシートーナメントでも決勝でANTを打ち破って優勝したらしいんだ。
このデッキはゲームの最序盤に《三なる宝球/Trinisphere》か《虚空の杯/Chalice of the Void》を場に出して1マナキャントリップで土地を探すのを妨害したり、”月”効果で多色地形を黙らせたりできるんだ。
マナを縛った後、ドラゴンストンピィは効率的なクリーチャーでゲームを終わらせる。

テスト結果から何を得られたかって?
”月”効果で負けたのなら、《月の大魔術師/Magus of the Moon》や《三なる宝球》があっても問題ない位の基本地形を入れればいい。
《目くらまし》や《思考囲い/Thoughtseize》といった軽い妨害呪文があるのなら、マナ加速や序盤の脅威を止めてドラゴンの牙を抜いてしまえる。
このデッキにまったく歯が立たないのであれば、あなたの使うデッキがレガシーでの使用に耐えられるほどの速度を持っているか見直さなくちゃいけない。
白スタックスが《三なる宝球》を置いてから《ハルマゲドン/Armageddon》を打ってきたり、43ランドの様な《壌土からの生命/Life from the Loam》ベースのデッキがこちらのマナを攻撃してくる事も覚えておかなくちゃだ。
《水流破/Hydroblast》や《殺戮の契約/Slaughter Pact》が早いターンの脅威に対抗するサイドボードだと理解できるだろう。
これらはバーンやズーにも効くので、サイドボードの一角を占める価値があると言える。


チームアメリカ
http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=28343

何でチームアメリカとテストしなくちゃいけないのか?
このデッキと対戦したことのない君のために、チームアメリカは大量の土地破壊戦略(《Sinkhole》と《もみ消し/Stifle》)を使って《目くらまし》の価値を飛躍的に上げ、その隙に軽いクリーチャーで殴るデッキだ。
それからこのデッキは《墓忍び/Tombstalker》を使う。
もし君が《墓忍び》に対処できないのなら君のデッキはレガシーでやっていけない。
《墓忍び》はレガシー随一の脅威であり、《殺し/Snuff Out》、《燻し/Smother》、《稲妻/Lightning Bolt》といった多くの定番除去を受け付けない。
チームアメリカは序盤にめっぽう強いが、長期戦になるとからっきしだ。
もし第1、第2の脅威に対抗できたのなら、君の優位は揺らがないだろう。

テスト結果から何を得られたかって?
ゲームを長引かせられるのなら、後は《墓忍び》を対処するカードを用意しておけば良いだけだ。
《誘惑蒔き/Sower of Temptation》を良いタイミングで場に出せれば、対チームアメリカは勝ったも同然だ。
土地を全部壊された上で《タルモゴイフ/Tarmogoyf》に殴られるのが理解できたら《呪文嵌め/Spell Snare》のような効果的なサイドカードを用意したり、フェッチランドを相手のターンに起動して《もみ消す》かクリーチャーを出すかどちらかしかできないようにプレイさせる、というように戦略を見直そう。
チームアメリカは上の2つのデッキと同じように序盤の脅威+妨害手段から成り立っている。
あなたのデッキが序盤をコントロールできるとしたら、後半も同じようにできるかな?
それでは次の2つを見ていこう。


アグロローム
http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=28344

何でアグロロームとテストしなくちゃいけないのか?
純粋なアグロデッキほどではないにしろ、アグロロームは協力なアタッカーとそのバックアップが一貫して結びついている。
1ターン目の《タルモゴイフ》に《闇の腹心/Dark Confidant》や《壌土からの生命》が続き、《不毛の大地/Wasteland》で土地が壊され、《平穏な茂み/Tranquil Thicket》で引かれ続け、最期は《土を食うもの/Terravore》や《燃え立つ願い/Burning Wish》が封をする。
対アグロローム用の青写真は次から次に出てくる脅威に対抗できるか、毎ターンカードを3枚引き得る対戦相手を《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》が《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》を持ってくる前に倒してしまえるかにかかっている。

テスト結果から何を得られたかって?
アグロロームはとても強力なデッキだが、相殺や序盤の《呪文嵌め/Spell Snare》や《Hymn to Tourach》といったカードに脆い。
もしこれらのカードでプレッシャーをかけられたのなら、勝利の目算があるだろう。
ただし、回り始めた《壌土からの生命/Life from the Loam》エンジンを止める事ができないと、それは敗北に直結することになる。
序盤を支配できるか、あるいは《起源/Genesis》や《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》といった遅いエンジンを止められるかが勝敗の行方を左右する。
墓地対策で長期戦用アドバンテージを止めるのと、(自分の攻撃を通すために)相手のクリーチャを除去するのと、どちらが有効なんだろう?
ロームデッキはどんな角度からでも攻撃してくるので、コストパフォーマンスの良いクリーチャーと土地破壊戦略の両方に対処しなくちゃならない。


相殺独楽
http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=28345

何で相殺独楽とテストしなくちゃいけないのか?
相殺ロックは決めるのが簡単で、かつレガシー環境では非常に効果的だからだ。
相殺独楽が一たび対戦相手のクリーチャを奪ったら、自分のターンにタップアウトすることなく、全てのリソースを奪ったクリーチャーを守るのに使う。
この結果あなたから動くかあなたが負けるまで、毎ターン土地を置き続ける以外は何もしなくなる非常に強固なコントロールデッキとなる。
相殺独楽にはいろいろな形態があり、あなたのデッキが《相殺》を無視できるものなのか、あるいは《クローサの掌握/Krosan Grip》のような回答を用意しなくちゃいけないのか、その形態に応じて何が最善の解決策になるかを判断しなくてはならない。

テスト結果から何を得られたかって?
もし《相殺》にロックされ続けたのなら、そこから抜け出す方法はないだろうか?
例えば私がナヤズーを使ったときに、《裂け目の稲妻/Rift Bolt》を手札に温存して《Chain Lightning》でお伺いを立てる、といったようにプレイすれば《裂け目の稲妻》をとどめとして計算できる、ってな具合だ。
他には《クローサの掌握》や《真髄の針/Pithing Needle》といったカードで《独楽》を止めるのも良いね。
レガシーで一線級のデッキたらんとすれば対《相殺》の戦略は必要不可欠であり、あなたのデッキがどのように動くかを知る必要がある。


ANT
http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=28346

何でANTとテストしなくちゃいけないのか?
コンボがいつでも発動するわけじゃないってことを理解できるので、コンボが始まってしまうと簡単に負けてしまうデッキが多い事を考えるとこれは朗報だ。
確かにANTは《ルーンの光輪/Runed Halo》(《苦悶の触手/Tendrils of Agony》を指定)や《相殺》を置かれる前に勝つことができる。
私がANTをリストの最後に持ってきたのは、コンボデッキにハマってしまう事が多々あるからだ。
青いデッキでの対ANTのテストプレイは、想像とかなり違っていることからもとても大事なんだ。
《目くらまし》、《呪文嵌め/Spell Snare》、《FoW》がフル搭載されているデッキは対ANTがとっても楽だけど、速いターンのコンボを止めるのと、LEDと《燃え立つ願い/Burning Wish》でもう一度コンボを決められる前に勝ってしまうのを両立させるのはなかなか難しい。
もし新しいデッキが対コンボにワンチャンス欲しいのなら、初期の妨害とそれに続けられるクロックを用意しなくちゃだ。

テスト結果から何を得られたかって?
《苦悶の触手》デッキとのテストプレイはどんなサイドボーディングをすればいいのかを決められることにある。
Marijn Lybaertがマーフォークで出たトーナメントリポートには、メインの《不忠の糸》と交換できるカードが全く無かったとあった。
http://www.starcitygames.com/magic/legacy/17422_Feature_Article_Legacy_Merfolk_in_Action_Top_8.html
テストはデッキ(+サイドボード)に調整のチャンスをくれるか、サイドボードのスペースを無駄に使っていないかをチェックしてくれる。
マーフォークを使っての対ANT戦のように接戦の場合、サイドにコンボ用のスペースを割けば結果は全く違ったものになるだろうね。
誰かがサイドに《虚空の杯》か《強迫/Duress》を入れてそれを証明してくれると思う。



以上6つのデッキは、新しく思いついたデッキが環境でどのように戦うのか、トーナメントに行かなくてもどのような結果になるのかを示してくれる。
リストの一つや二つに負けるのは大した事じゃないけど、ほとんどのデッキに負けるとあらば友達とのカジュアルプレイで使うに留めておいた方が良いね。
多分自分自身のテスト用デッキ集を作りたくなると思うよ!

リストはこのままでいいかな?
記事にあるリストが完成形だなんて思わないよね?
まずは使ってみて、フォーラムに感想を書くか、もしくはメールで意見を送ってね!

また来週。

Doug Linn
《Black Lotus》!《Sol Ring》!《魔力の櫃/Mana Vault》!
こいつらはレガシーだとあんまり強いから《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》や《水蓮の花びら/Lotus Petal》、《金属モックス/Chrome Mox》といったカードに形を変えて環境に残ってる!
しっかーし、これらの他にもレガシー環境には使いようによって”壊れた”マナ加速になるカードたちが眠っているんだ!
今回はそんなカードを3種類と、思わず腋毛を見せたくなるようなナイスなデッキ、それからStarCityGames.comからのビッグなお知らせをお届けするよ!


まずは赤の古株コモン、《オークの木こり/Orcish Lumberjack》だ!


Orcish Lumberjack / オークの木こり (赤)
クリーチャー — オーク(Orc)
(T),森(Forest)を1つ生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに、(赤)と(緑)の好きな組み合わせのマナ3点を加える。
1/1



私が12年前にカジュアルデッキで使っていた《木こり》は、《森/Forest》を切り倒しては《Black Lotus》を生み出してくれてたんだ!
《Lava Burst》を《木こり》で後押ししてバーンデッキが勝つのを思い出すね!
ふり返ってみると、《木こり》によるマナ加速は不公平感がなかった様に感じるんだ!
3ターン目の《大喰らいのワーム/Craw Wurm》や2ターン目の《蛮族の大軍/Barbarian Horde》が確実ってわけじゃなかったしね!
そのころの、それから今でもマジックで最高のマナ加速のうちの一つだと思ってるよ!

さて、どういう風に使えばカジュアルデッキから脱却できるかな?
現在は1ターン目に《木こり》、2ターン目に《森》を食べるっていうのがフェッチランドから《Taiga》を持ってくることでディモールト簡単だね!
それから3マナ余計に出せるっていうのは、2ターン目に5マナかそれ以上を生み出し得るので、それはレガシーだととても驚異的なことだよ!
そんなわけで土地1枚の損失よりもスピードが重要なアグレッシブ・デッキがいいだろうね!
一番フィットするのはゴブリンかな!

3マナも余計に使えるんだからいろんなことをしたくなっちゃうね!!
《木こり》は《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》や《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》とかを2ターン目に呼び出せるので、《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》と同じように機能するんだ!
もしゴブリンに押し込むんだったら何か4枚抜かなくちゃだね!
私だったら《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を切るかな!
ここんところ活躍できる機会が限られているし、ゲームを通しても《木こり》の方が良さそうだし!
ゴブリンじゃないから《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》で引けないし、《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》も使い辛くなるけど、試す価値はあると思う!
今までは《古えの墳墓/Ancient Tomb》がゴブリンデッキを加速するのに使われてきたんだけど、《木こり》はそれよりも全然良さそうだよ!
それから《木こり》は《リシャーダの港/Rishadan Port》を起動するのに使った《Taiga》をコストにできるし、《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》や《首謀者》をプレイした後でもマナを出せるよね!
《木こり》の能力が何度も使えるかは不安が残るけど、2ターン目に《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》を出せる可能性が2倍になるのは見逃せないね!
あとは《霊気の薬瓶/AEther Vial》の代わりに入れてもいいかもしれない!
《薬瓶》は打ち消し呪文全般への対抗手段だから、反論したい気持ちはわかる!
ゴブリン使いの皆さんは《薬瓶》が《木こり》よりもゴブリンを加速させるって気付いてるよね!

《木こり》は赤い憎い奴らだけじゃなくて緑のすごく…大きなクリーチャーも呼び出せるよ!
最近ドイツの35人参加のトーナメントで7位に入ったデッキを見てみよう!

http://www.deckcheck.net/deck.php?id=23360

このデッキなら《木こり》を労基法違反で勧告されるまで使えるよ!
見た感じ《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》か《Fyndhorn Elves》は《木こり》に置き換えられるね!
コンボ以外のデッキだと、2ターン目の《ブラストダーム/Blastoderm》や3ターン目の《ヤヴィマヤの火/Fires of Yavimaya》付き《災難の大神/Deus of Calamity》に対処するのは難しいよ!
このデッキは2ターン目にでっかいクリーチャーを出して、3・4ターン目にそれ以上のことができ得る良い例だね!
実際にレガシーでやっていけるのか、成績がマグレじゃないのかは自信がないけれど、《木こり》が戦えるデッキにしてくれるのは間違いないと思う。
テストゲームで対相殺独楽とやったら《思考囲い/Thoughtseize》と《目くらまし/Daze》を使われても、3ターン目に《はじける子嚢/Saproling Burst》/《伏魔殿/Pandemonium》コンボを決めたことがあったよ!
これならレガシーレベルって言っても遜色ないよね!

《木こり》は、また、デッキビルダーの皆さんが気になってるカードのためのマナ加速にもなるよ!
《サルカン・ヴォル/Sarkhan Vol》、《千足虫/Gigapede》、《憤怒の天使アクローマ/Akroma, Angel of Fury》等がそうだね!
《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》を入れてコストの土地を水増ししたり、《すき込み/Plow Under》で相手を妨害したりと、コントロール寄りに構築してもいいかもね!
今ならStar City Gamesで4枚1ドルで買えるから、レガシープレイヤーにとっては投資のチャンスかもよ!
赤と緑のカードは質が上がる一方なんだから、《木こり》の値段が上がるのも間違いないね!



次は《Sol Ring》と同じマナを毎ターン生み出す《スランのタービン/Thran Turbine》だ!


Thran Turbine / スランのタービン (1)
アーティファクト
あなたのアップキープの開始時に、あなたは自分のマナ・プールに最大(2)まで加えてもよい。あなたは、このマナを呪文をプレイするために支払うことはできない。



マナをどうやって活用するか悩むよね!
例えば・・・

-《等時の王笏/Isochron Scepter》をアップキープに起動して、《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》で引いたり《稲妻のらせん/Lightning Helix》ブッパしたり!

-《停滞/Stasis》+《雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds》で友達を減らしたり!

-《The Tabernacle at Pendrell Vale》や《幕屋の大魔術師/Magus of the Tabernacle》のコストを払ったり!

-《スカイシュラウドのエルフ/Skyshroud Elf》でマナロンダリングして呪文のプレイに使えるようにしたり!

-《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を回したり《ウルザの工廠/Urza’s Factory》を起動したり!


以上挙げてみたけど、こんな使い方じゃわざわざ《タービン》をレガシーで使う意味がないね!
最初に、リクルートが簡単になるからレベルデッキで使えば良いんじゃないかと思ったんだ!
《陰謀団式療法/Cabal Therapy》・《大物狙い/Big Game Hunter》・《Hymn to Tourach》入りの白黒レベルを試してみたんだけど、結局たいしたものじゃなかったよ!
ケンタッキー州PTQで優勝した以下のデッキに出会うまで、《タービン》の可能性をポイしようかって考えてたぐらいだ!

http://www.deckcheck.net/deck.php?id=22593

このデッキなら《タービン》を限界まで回転させられるね!
《再誕の宣言/Proclamation of Rebirth》を素早く”宣言”できるし、《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》を手札に戻して土地を伸ばせるし、《正義の命令/Decree of Justice》からトークンを2体余計に出せるんだ!
メインだと墓地対策を採ってないデッキが多いから、《砂の殉教者/Martyr of Sands》ロックはレガシーでもワンチャンスあるかもしれないしね!
殉教者デッキは第1ゲームを長引かせてから勝って第2ゲームは引き分け、ってな具合に1-0を量産できるかもよ!
もちろんリスクはあるけれど、試す価値はあると思う!
このデッキは《独楽》と《ドラゴン》の組み合わせでより多くのカードにたどり着けるだろうね!

《タービン》はこんな感じのデッキにバッチリ合うカードで、ぜひとも誰かに使ってほしいよ!(もっとも私が相手するのはゴメンだけどね!)
勝ち手段に《精神隷属器/Mindslaver》とか《忍耐の試練/Test of Endurance》、あるいは《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor》を使ってもいいかもね!
私がこんなに《殉教者》コンボを推すのも、第1ゲームだと《根絶/Extirpate》か《真髄の針/Pithing Needle》位しか対抗策が無いからだ!
打ち消し呪文はこのデッキの核となる部分にはほぼ意味が無いし,《丸砥石/Grindstone》は《ルーンの光輪/Runed Halo》でシャットアウトさ!
《宣言》を《思考囲い/Thoughtseize》とかで落とされるとライフ獲得を邪魔されるけど、《光輪》と《独楽》が手札破壊に対抗する手段になるよ!
《名誉回復/Vindicate》と妨害要素のために黒を混ぜるのもいいよね!

今は4枚で3ドルだから、これから《オークの木こり/Orcish Lumberjack》と同じように高くなっていくだろうね!



最後は《花の絨毯/Carpet of Flowers》について考えていこう!

Carpet of Flowers / 花の絨毯 (緑)
エンチャント
あなたの戦闘前のメイン・フェイズの開始時に、対戦相手1人を対象とする。あなたはあなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナを最大X点加えてもよい。Xは、そのプレイヤーがコントロールする島(Island)の数である。



《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》みたいに全ての土地を《島/Island》にできる《ウルザの墳墓、トレイリア/Tolaria, Tomb of Urza》があればなぁ・・・

メインで《幻覚/Mind Bend》を使う理由が無い限り、《絨毯》は間違いなくサイドカードだね!
しかもほとんど使われてこなかったカードだ!
サイドに必要なのは相手への対抗策で、マナ加速が必要なわけじゃないからしょうがないよ!
他のサイドボーディングと違って、《花の絨毯/Carpet of Flowers》を入れると戦略的に後退するといっても過言じゃないね!
Sam Blackを中心に議論されてる事の一つに、サイドボーディングは相手への回答を用意するんじゃなくて相手を打ち破るためにすべきだ、っていうのがあるんだ!
もし対青の試合でより速度が必要ならば、《絨毯》は回答ではなく、よりよいものになるよ!

チームメイトのKevin Cronはヴィンテージのスタックスで対《Mana Drain》デッキ用に時たま《絨毯》を使ってたよ!
スタックスは2ターン目までに2種類のロック要素を用意したいんだけど、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》、《ヴィーアシーノの異端者/Viashino Heretic》、《In the Eye of Chaos》、《煙突/Smokestack》とかに邪魔されてできない事がままある!
《絨毯》は《赤霊破/Red Elemental Blast》のような”回答”にはなり得ないけど、早いターンのロック要素の邪魔になる事なしに、スタックスのスピードを劇的に上げることができるんだ!
それと《目くらまし》と《ドレイクの雛/Drake Hatchling》を役立たずにするから、フィッシュに対する棺桶の釘になったりもするよ!

サイド前に、対青で《絨毯》を必要としているデッキがあるかどうかには自信が無いよ!
相手を倒すには相手より多くのマナが是非とも必要、っていうデッキなら入れる価値もあるんだろうけど、例えば上のほうに出てたファイアーズに入っている《血染めの月/Blood Moon》よりも本当に役立つものなんだろうか?
《月》と比べると弱いと言わざるを得ないけれど、例えばファイアーズや先週の記事のギフトロックなら《絨毯》からのマナを役立てることができるよね!

前に出た二つと比べて《絨毯》をマナ加速として計算するのは良くないと思うけど、《島》が溢れているフォーマットなら一考の余地がある事は覚えておいて欲しいよ!
《絨毯》はやっぱり安いカードだけど、もしかするとエンチャントレスが探してた1枚かもしれないね!


デッキスポットライト:《結界師ズアー/Zur the Enchanter》デッキ

今週初めに出会ったこのデッキはついコラムで取り上げたくなるほど良い物に見えたよ!
Jorge Luengo Taberneroがスペインで行われた43人トーナメントで1位になったんだ!

http://www.deckcheck.net/deck.php?id=24562

《結界師ズアー》だよ!レガシーで!

デッキについてもっと知りたいよね!
これは緑の憎い奴が入って無い相殺独楽で、ベースラプション風に《闇の腹心/Dark Confidant》と《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》を使っているんだ!
使って楽しく、池袋で探しても売ってない《ズアー》が《ペミンのオーラ/Pemmin’s Aura》で《変異種/Morphling》になり、次のターンには《神格の鋼/Steel of the Godhead》で飛行+吸魂の8点パンチを食らわすのさ!
厄介なパーマネントは《ズアー》の持ってくる《破滅的な行為/Pernicious Deed》で対処し、《相殺/Counterbalance》を持ってきてロックしたりとやりたい放題だよ!
《ズアー》が一度でも殴れば何かしら持ってくるからね!
能力は攻撃に参加するときに誘発するので、その後に除去されても能力はスタックに乗ったままだよ!
もし《墓忍び/Tombstalker》が待ち構えていても、《忘却の輪/Oblivion Ring》で除去するか《ペミンのオーラ》で一騎打ちに持ちこめるよ!
ZDW(Zur Deck Wins)が本当にレガシーで通用するのかを、是非とも使った人から聞きたいんだ!
《ズアー》に依存しすぎだけど《独房監禁/Solitary Confinement》+《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》ロックを取り入れられるかもしれないし、《セカンド・チャンス/Second Chance》を入れてターンを増やすのも試せるよね!
もしできなくったって、とっても面白そうなデッキに変わりは無いけどね!


Star City Gamesは今年の6/21に、ボストンで賞金総額5000ドルのトーナメントを開催することになったよ!
詳細はフォーラムでチェックしてね!
http://forums.starcitygames.com/viewtopic.php?t=316870
GenConで行われるLegacy Championshipよりも賞金が多いし、国中からレガシープレイヤーが参加するだろうね!
アメリカのレガシーのメタを占う大会の他に、サイドイベントでEDHの大会も用意してあるから楽しんで行ってね!
このイベントのせいで他のトーナメントに人が全然いなくなる位には成功すると思うよ!
ホテルの手配を忘れないようにね!


それじゃまた来週!

Doug Linn
原文:http://www.starcitygames.com/magic/legacy/17314_Legacys_Allure_Gifts_Rock_Revisited.html

この週末、私はオハイオ州はコロンバスにてMeandeck Openというレガシートーナメントに参加してきた!
先月の記事で言及したとおり、ギフトロックが通用するかどうかをもう一度試したかったんだ!
グランプリに出た時のリストから、今シーズン初期にエクステンデッドで使われていたギフトロックに近付いたよ!

トーナメントの参加者は18人だった!
いつもは最低でも40人いるから人出の無さにびっくらこいたさ!
PTQの開催が土曜日から日曜日に移ったもんだからそっちに何十人も取られちゃったんだね!
それでも5回戦+トップ8の決勝トーナメントだったので、書くことは沢山あるし、デッキ構築過程とカード選択から何か感じ取ってもらえればと思ってるよ!
以下リストだ!

http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=28294

私が使ってきた中でも間違いなく一番長いリストだぜ!
使ってて一番楽しいデッキでもあるよ!

グランプリが終わったあとにトップ8に残った《相殺》デッキとテストプレイをしたら、私のデッキはクリーチャー奪取効果にめがっさ弱い事が判った!
そのころに《The Abyss》を使ってみようと思い立って、デッキに入れるクリーチャーは《Abyss》を避けられるか影響を受けないものだけにしようと思ったんだ!
そんなわけで、デッキに入っている奴らはみんなパクられないし農場送りにもされないよ!

一番大きな変更点は《呪文嵌め/Spell Snare》の採用だね!
現在のレガシーでは《思考囲い/Thoughtseize》よりも環境に”嵌まる”カードなので、ずっと使ってきた《目くらまし/Daze》の枠は全部《嵌め》に置き換えてるよ!
レガシーで使われる驚異的な呪文のうちのほとんどが2マナなので、こちらが後手だとそれらへの回答として本当に最高なんだ!
ゲームの後半に引いても役に立つし、先手だったら《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を出してしまえる点も見逃せないね!

デュアルランドをアンタップで出して《嵌め》を構えたり《独楽》を回したりできるから、《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》よりも《三顧の礼/Three Visits》か《自然の知識/Nature’s Lore》を使いたかってん!
そんでも《長老》を使わんと《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》用のクリーチャーが減りよるからクソハンマーも切らないかんし、特殊地形対策に弱なってまう!
《独楽》との相性はちょいと悪いけど、ソーサリーよりはこっちのほうが良いと判断したよ!
多くのカードがデッキに入ってる他のカードと相互依存してるので、《戦槌》に関しても話しとこう!
《戦槌》は吸魂とトランプルという二つの重要な要素をデッキにもたらしてくれる!
装備すればすぐにクリーチャーに能力を付与してくれる点から、《光と影の剣/Sword of Light and Shadow》よりも良いって判断したんだ!!
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》も悪くないんだけど、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》や《破滅的な行為/Pernicious Deed》が使い辛くなるし、《十手》は能力を使うのにタイムラグがあるのがいただけないよ!

1枚挿しのカードは《けちな贈り物/Gifts Ungiven》で持って来る様に見えるけど、基本的にライブラリー操作は《独楽》で行うよ!
沢山あるシャッフル手段で比較的早く1枚挿しのカードを見つけられるだろう!
それで《けち》は《Regrowth》と《回収/Reclaim》を一緒に持ってくることで、より良い《教示者》として使えるのさ!
《永遠の証人/Eternal Witness》が抜けたのは2マナ余計に掛かるのと、ソーサリースピードじゃこっちより遅いデッキに対して遅すぎるからだ!
典型的なギフトは《千足虫/Gigapede》や《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》+《刻まれた巫女/Etched Oracle》+《Regrowth》で相手の防御網を突破してきた!
ほとんどのデッキがそれらのカード循環に対抗する手段を持ち合わせていないからね!

メインに入ってるカードの中でも、とりわけ重要な《未来予知/Future Sight》について説明しよう!
《独楽》が一緒に出ているとこのエンチャントは「1:カードを1枚引く」ってなるよ!
もしそうなったら手札をいっぱいにして、後は勝ちに向かうだけだね!
《独楽》が無くても、依然として《未来予知》は毎ターン最低でも2枚は拝ませてくれる!
《苦花/Bitterblossom》はリスト提出時間ぎりぎりに3枚目の《爆薬》と交換したんだけど、入れといてほんとに良かった!
何度かサイドアウトしたけど、多くのゲームでクロックになったし、次にこのデッキを使うときも間違いなく入れるだろうね!
《誘惑蒔き/Sower of Temptation》の効かない《戦槌》の運び手になるんだ!

マナベースはデッキに入れたカードをきちんとプレイできるようにしていったらリストのようになったんだ!
序盤に無色しか出ない土地を2枚引きたくないので、《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》は結局1枚にしたよ!
《Volcanic Island》はほぼ列日専用だけどそれでも役に立ったし、サイドを五色にするのも簡単だ!
《黄塵地帯/Dust Bowl》は相手を事故らせるというより、《工廠》を壊したり自分の《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》をレジェンドルールで失わないように入ってるんだ!
《不毛の大地/Wasteland》じゃないのは何度も使いたかったからさ!
色マナの配分は、青と緑を安定して出せるようにしてあるよ!

サイドはご覧の通りシカゴのNassifの影響を受けてるよ!
面白そうだったし、対戦相手に私が何を使ってくるか解らなくさせる効果もあるね!
2種類の《教示者》は、メインから不必要なカードを切っても入れるカードが無い時によく入れてた!
《上天の呪文爆弾/AEther Spellbomb》は私がやっとこさ辿り着いた《墓忍び/Tombstalker》を何とか処理できるカードだ!
《廃虚》で再利用できるからとっても役に立つしね!
《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor》と《正義の命令/Decree of Justice》は対コントロールデッキ用の変化球で、こいつらも入れるカードが無い時によく入れてたよ!
他のカードは見たまんまだ!
コンボはほとんどいないと踏んで、代わりにバーンをメタっといた!
《清水のゴブレット/Clearwater Goblet》の活躍はすぐにお届けするよ!
それじゃお次はトーナメントレポートだ!


1回戦 赤緑エルフ・サバイバル

第1ゲームは速く終わった!
《呪文嵌め/Spell Snare》で《適者生存/Survival of the Fittest》を打ち消したら6ターン目位に《自然の秩序/Natural Order》で《大祖始/Progenitus》を出されて、それで負けたよ!
10マナまで伸びなかったもんだから《破滅的な行為/Pernicious Deed》も起動できないし、とっとと投了した!

サイド
+1《無効/Annul》、+1《クローサの掌握/Krosan Grip》、+1《神秘の教示者/Mystical Tutor》
-1《苦花/Bitterblossom》、-1《けちな贈り物/Gifts Ungiven》、-1《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》

第2ゲームは各種エルフが《傲慢な完全者/Imperious Perfect》でおっきくなって殴ってきたね!
《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》を《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》で回して向こうの軍勢を押し止めてたんだけど、《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》も《行為》も引けなくて負けたさ!

いきなり負け-負けでスタートダッシュばっちり失敗!

0-1


2回戦 Mattのフルイングリッシュ・ブレックファスト 
第1ゲーム
Mattは先手ダブルマリガン!
私は1ターン目の《独楽》でデッキを掘り始めた!
Mattは《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》を《もみ消し/Stifle》たけど、私は《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を持ってた!
《起源/Genesis》、《ヴォルラスの多相の戦士/Volrath’s Shapeshifter》と出されたけどそいつらも農場送り!
普通にプレイされた《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》も《Regrowth》で4度農場送りにして、《工廠》+《長老》ビートで勝ったよ!
《剣を鋤に》で約20点増えてたから、よく殴りきれたもんだね!

サイド
+1《上天の呪文爆弾》、+1《無効》、+1《悟りの教示者》、+1《クローサの掌握》
-1《苦花》、-1《けちな贈り物》、-1《The Abyss》、-1《千足虫》(これは残しておくべきだった!)
長引きそうだったので《苦花》は抜いたけど、《けち》を致命的なものにするために《千速虫》は抜くべきじゃなかった!
それから《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》も入れとけばよかったよ!

第2ゲーム
2ターン目に土地を置けなったMattを尻目(アナルアイじゃないよ!)に、3枚位は《黄塵地帯/Dust Bowl》で壊してやったと思う!
基本的に土地は自分のマナを伸ばすために使うんだけど、《適者生存》をトップされると一気に責められてしまうから今回は壊すプランにしたんだ!
第2ゲームはやたらに長くなってしまったけど、こちらに《未来予知》+《独楽》が揃ったので沢山引いたよ!
こちらだけカードアドバンテージを積み上げられる事ほど重要な事はないね!
《未来予知》コンボが決まると、相手にできることは限られてしまうよ!
何度かミスしてライフが1になっちゃったけど、《長老》が《戦槌》で安全域まで戻してくれて、最後はトランプルでライフを削り取ったよ!
もし《千足虫》を残しておいたらゲームはもっと違った展開になってただろうね!

1-1


3回戦 Benの白単コントロール

第1ゲーム
1ターン目に《平地/Plains》から《悟りの教示者》で《独楽》を持ってくるBen!
私は2ターン目に《苦花》でプレッシャー設置!
Benは生き残るために《等時の王笏/Isochron Scepter》に《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》を刻印しなくちゃだけど、もちろん《嵌め》!
続いて《聖なるメサ/Sacred Mesa》を対《苦花》用に置いたBenは、維持するのを忘れてご愁傷様!
私が《嵌め》を《回収/Reclaim》し忘れた次のターンに《王笏》をトップするBenn!
この時点でこちらの場には《戦槌》+《苦花》+フェアリートークン×7、打開策はメインに1枚の《クローサの掌握/Krosan Grip》だけ!
《けち》で土地を4枚持ってきてフェッチを2回起動し、ライフは19でライブラリーは20枚!
5ターン後、私はやっとこさ《掌握》を発見、何度か《神の怒り/Wrath of God》で流されつつ攻撃を始めた!
なぜかBenは《絵描きの召使い/Painter’s Servant》/《丸砥石/Grindstone》コンボをこっちに見せてしまったけど、私の手札には《剣を鍬に》があったよ!

サイド
残り時間は10分少々!
+1《ファイレクシアの処理装置》、+1《クローサの掌握》、+1《無効》
-2《破滅的な行為》、-1《仕組まれた爆薬》
Benはパーマネントをあまり展開してこなかったのでリセット系のスペルを抜いたよ!

第2ゲーム
1ターン目に《独楽》、4ターン目に《処理装置》ってできそうな初手だった!
《忘却の輪/Oblivion Ring》で《処理装置》を処理されたけど、6/6トークンを2体出せたからそいつらでなぐって決着はあっという間さ!

2-1


4回戦 Nateのエンチャントレス
このマッチアップは《霊体の正義/Karmic Justice》を巡る戦いだってことが判ってた!
もし《正義》が無ければこちらの《行為》で場を一掃できるし、あればこっちのパーマネントはほぼ全部無くなるよ!
《真の木立ち/Sterling Grove》が単体除去を無効化するので、状況をさらにややこしくするね!

第1ゲーム
Nateは《森/Forest》から《楽園の拡散/Utopia Sprawl》スタート!
手札の《嵌め》で《アルゴスの女魔術師/Argothian Enchantress》を打ち消そうと思ってたら、《女魔術師の存在/Enchantress’s Presence》を置かれて涙目だよ!
そんで彼は《Moat》と《聖なるメサ/Sacred Mesa》を含むエンチャントを何枚かプレイした!
《苦花》があと一歩の所まで彼を追いつめたけど、場を膠着させられちゃったんだ!
《霊体の正義》を出されて、僕は自分が死なないようにこっちだけ《抹消/Obliterate》の《行為》を使ったよ!
僕は次のターンに《補充/Replenish》でむこうだけエンチャントがバイバックした所で投了したんだ!
エンチャントレスに入ってるカードはどれをとってもこちらより早いから、正直当たりたくなかったよ!

+2《教示者》、+1《クローサの掌握》、+1《根絶》、+1《正義の命令》、+1《無効》
-4《剣を鋤に》、-1《けちな贈り物》、-1《The Abyss》
 
第2ゲーム
《拡散》を《爆薬》で割って、《アルゴスの女魔術師》2体を《破滅的な行為》で墓地送りにできた!
そんで《千足虫》と《正義の命令》からの兵士トークン4体で殴り切ったよ!
こちらのリセットに対抗するために《沈黙のオーラ/Aura of Silence》をサイドインしてた模様!

第3ゲーム
この試合は思わず鐘を叩きたくなるほどナイスな内容だったよ!
《窒息/Choke》のせいでこちらは2マナしか使えないし、2枚の《沈黙のオーラ》で《破滅的な行為》をなかなか場に出させてもらえなかった!
何より悪いのは《霊体の正義》+11個のエンチャントが場に出てたことだね!
《長老》と《独楽》を使って何とか《千足虫》を場に出す位まではマナを伸ばしたんだ!
神河コンビは最高だね!
まず、7マナ払って最初の《行為》を置いてターンを返す!
当然《オーラ》で割られたけど、それでこっちは少し楽になる!
《真の木立》が出てるので《クローサの掌握》じゃ《霊体の正義》を割れず、もう一枚の《破滅的な行為》でお互いの場をまっさらにするしかない!
《千足虫》だけ残り、攻撃してから土地を置いて《独楽》を置き直す!
《補充》を引かれずに済んだので、《掌握》を残したまま第3ゲームに勝てたんだ!

3-1


5回戦 Vince 白ウィニー
下当たりしちゃったからIDでトップ8ってわけにはいかなくなったよ!
第1ゲームは除去を引けなくて、《ルーンの母/Mother of Runes》の仕送りを受けた序盤のアタッカーが私を殴りきったんだ!

サイド
+2《教示者》、+1《清水のゴブレット》、+1《上天の呪文爆弾》
-1《苦花》、-2《けちな贈り物》、-1《回収》
リセット呪文を複数枚引ければほぼ勝ったも同然なんだけどね!

第2ゲーム
序盤のクリーチャーはトップした《破滅的な行為》で一掃!
《Abyss》 で《母》を無効化させてたら《忘却の輪/Oblivion Ring》で対処されて《ハルマゲドン/Armageddon》を打たれたよ!
アタッカーは除去できたけど、土地が無くなったのはマジ勘弁だったね!
そのあと何とか5マナまで回復して《ゴブレット》をx=3で置いたんだ!
これが思わず笛を吹きたくなるくらいのナイスな働きで、あっというまにVinceの射程圏外までもって行ってくれたんだ!
2発目の《ハルマゲドン》が打たれて私のデッキに残ってるランドの枚数は残り5枚!
《長老》でそれらを持ってきて、《千足虫》のために緑マナを《Regrowth》で《Bayou》を拾って調達!
《ゴブレット》の持つ力が十分に発揮されたこのゲーム、私のライフは50を超えてVinceが勝つのはホンットーーーーーに難しくなった!
土地を置きすぎると《ハルマゲドン》にお仕置きされる、ってーのを身をもって実感したね!

第3ゲーム
このゲームが始まった時、残り時間はあと6分位だった!
序盤のクリーチャーを《嵌め》たり農場送りにして、今度は《ゴブレット》を5色で置いたんだ!
これで私の負けがほぼなくなり、最終的には引き分けて3-1-1の成績でトップ8に残れたんだ!

3-1-1

準々決勝  Aaron 白黒手札破壊
第1ゲーム
ダブルマリガン(2回ともスペルが無かったのだ!)の私に対し、 Aaronは《闇の腹心/Dark Confidant》で引くってどうゆう骨体!
すぐに《Hymn to Tourach》が飛んできて、《行為》で場をきれいにしたけど《墓忍び》に対処できなくてそれで負けちった!

サイド
+1《清水のゴブレット》、+1《上天の呪文爆弾》
-1《けちな贈り物》、-1《クローサの掌握》

第2ゲーム
《独楽》を置いてターンを返したらA定食入りました!
《爆薬》+《廃虚》で少しずつクリーチャーを除去していったんだけど、色マナを間違えて使っちゃったもんだから《ナントゥーコの影/Nantuko Shade》とその最高の相方である《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》を除去できなくて負けちっち!


このデッキをまた使えてとっても満足したよ!
《呪文嵌め》はこのデッキが序盤に正しく必要としていたもので、対戦相手の第2ターンを無効化するのにも本当に役に立った!
一日を通して対戦相手は私が何をしたいのか分かっていなかったし、それが理解されると「それはいいものだ」ってほめられたよ!
デッキをプレイして楽しむ、っていう目論見は完全に成功したね!
15種類挿しのサイドも気に入ったし、他のデッキでも試してみるよ!
《教示者》で簡単に持ってこられるしね!
それからこのデッキにはまだまだ多くの改善の余地があると思うんだ!
《けち》はプレイする毎に致命的なものにしたいので、《蟲の収穫/Worm Harvest》はやっぱり役に立っただろうね!
《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》とミシュラランドをもう1種類、それから《草茂る屋敷/Overgrown Estate》を入れておけば、長期戦に役立つだろうし長く生き延びることもできるだろう!
《道化の帽子/Jester’s Cap》をサイドに入れてた時もあったんだけど、たぶんメインに入れておくのがいいんだろうね!
《ハルマゲドン》や《適者生存》といった、トップデッキされるだけでそれまで積み上げたアドバンテージを帳消しにされてしまうカードに対抗する手段が必要なんだ!
《帽子》を《廃虚》でいくつも被せていけば、ライフ損失以外の勝ち手段にもなるしね!
《けち》をつかえば《絵描き》/《丸砥石》のようなコンボも簡単にそろえられるけど、単体で役に立たないカードは着色料たっぷりのガム並に好きじゃないんだ!

エクステンデッドであんまり使われてない《きらめく願い/Glittering Wish》コントロール風にするとか、《稲妻のらせん/Lightning Helix》やら《古えの遺恨/Ancient Grudge》のために赤を足すってのもいいかもね!
《破滅的な行為》とサイドの数枚にしか使ってないから黒を薄くするのもアリだ!
それから《流刑への道/Path to Exile》もピンポイント除去として考えられるよ!
トーナメントの最中に、少なくとも2回はPtEがあればなーって思ったからね!
《死体のダンス/Corpse Dance》も試してみたかったんだけど、活躍させられるほどクリーチャーがいないもんだから断念したんだ!
もし黒と赤が出せるようなら《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》を入れて、気が済むまで躍(ダンス)らせてもいいよね!
《トリスケリオン/Triskelion》も陽水と違って上手に踊るんだけど、《廃虚》で回してみるとマナがやたらに掛かる割には効果が普通だった!
白か黒をもっと出せるようにして《神の怒り》/《滅び/Damnation》を入れても良いし、《生き埋め/Buried Alive》/《起源/Genesis》/《胞子カエル/Spore Frog》でロックすることもできるよ!
プレイヤー毎にカスタマイズできるっていうのがKeeperっぽいよね!
そんで《遁走の王笏/Scepter of Fugue》を入れてみるとますます原型に近づくよ!

もしこのデッキに興味があるか、あるいは使ってみようって思うなら沢山練習してね!
対戦相手がしてくることにどうやって反応するかが重要だから、一人回しはほとんど意味が無いよ!
サイドボーディングはほぼ微調整だから、メインの練習だけで十分だね!
誰かとプレイテストできるなら、サイドボーディングはより確かなものになるよ!
たとえば、相手の《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》や《剣を鋤に》はこちらにまったく効かないけれど、多くの対戦相手はこちらのデッキを知らないものだからそれらをサイド後も残すだろうね!
ソロプレイだと何が必要で何が不必要化は判りづらいと思う!
対戦相手毎に必要なカードがわかってきたら、今度は正しいカード選択かどうかを確かめるためにサイド後だけで練習するといいよ!
第1ゲームはたいてい長引くので、もし落とすとなると星を取り戻すのにあまり時間が無いから、完璧にプレイしなくちゃだよ!
また同じデッキに関することを書くかもしれないけど、来週は違うことを書くつもりだ!

また来週!

Doug Linn
原文:http://www.starcitygames.com/magic/legacy/17195_Legacys_Allure_Grand_Prix_Chicago_Overview.html


グランプリシカゴの参加者は1230人だった!
俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ!


それじゃまた来週!

Doug Linn


















Craig「いい度胸だなDoug ?」

Doug「わかってるよCraig、わかってるってば。」


私はたった今グランプリからBloomingtonに車で帰ってきた!
道中彼女とおしゃべりしっぱなしだったし、週末の疲れも溜まってんぞ!
グランプリの人出にはびっくらこいた!
SCGのライターのBephen Brenendianとかいう名前の人(確か苗字と名前で韻を踏んでたような・・・)と私は、経済情勢とカード入手の難しさからこの前に行われたレガシーのグランプリ(コロンバス)よりも参加人数が少ないって見積もってた!
うれしい誤算だったね!
グランプリの規模がここまでになったのはフォーマットが、というよりもアメリカ中西部での開催によるところが大きい!
マジックのイベント動員数の記録を更新するのはたいていアメリカのアクセスのいいところで行われるイベントだかんね!
でも私としてはレガシーだから、って思いたいよね!
ヨーロッパのプロもわざわざレガシーやりに来てた位なんだし!


予定では優勝レポートを書くか、最低でも賞金は取ってくるつもりだったんだけど、実際には《ハールーン・ミノタウルス/Hurloon Minotaur》(2-3)ドロップだった!
プレイテスト全然できなかったし、テンションも微妙だったからしょうがないね!
シカゴには彼女と一緒に来て、彼女の友達ん家に泊まったんだ!
4回戦が終わって2-2だったんで、負けるんだったらとっとと負けて夜のお楽しみに備えようと思ってた!
5回戦の相手はBen Carp操るゴブリンで、こっちの気持ちを察してくれたのかぬっ殺してくれたさ!
使ったリストは以下の通りだ!

http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=27700

ギフトロックって書いたけど、もしもっとかっちょよく呼びたいなら「タップアウトコントロール」、「是羽録句陀」、「純粋理性批判論理哲学論考知性改善道徳形而上学言論哲学的選択(《けちな贈り物/Gifts Ungiven》で相手に考えさせるから!)」とかでも良いよ!素人にはお勧めできないけど!
このデッキはまず4マナ出せるようにして、そんでレガシーで使われてるナイスな呪文をプレイしてくように作っといた!
白を足して4色も試したけど《剣を鍬に/Swords to Plowshares》と《名誉回復/Vindicate》しか使わなかったし、事故るのもヤだった!
以下デザイン過程のメモ!

・デッキは対《相殺/Counterbalance》を強く意識して作った!《タルモゴイフ/Tarmogoyf》少ないのもそのため!
 《破滅的な行為/Pernicious Deed》と《不敬の命令/Profane Command》は《相殺》をぶっ壊したりシカトしたりできんぞ!

・《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》マジパネエ!
 ロックは昔っからゲームの中盤に場をコントロールしてても、相手が《ハルマゲドン/Armageddon》やら《嘘か真か/Fact or Fiction》やら《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》やらをトップして負ける、ってーのが問題だった!
  《大魔導師》は極大消滅呪文でそいつらを打ち消したり、グランプリでボロス相手に2-1で勝った時もメラゾーマ並のメラを止めたりしてくれた!

・《極楽鳥/Birds of Paradise》はいらねーかもしらん!《三顧の礼/Three Visits》とか《明日への探索/Search for Tomorrow》、《思考囲い/Thoughtseize》、《根の壁/Wall of Roots》、《タルモゴイフ》が他の候補だった!
 このスロットはマナ加速かゲームをスローダウンさせる何かが欲しい!

・《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》の説明をしよう!
 このデッキはチョコっと墓地活用する!そんなわけで相手に《虚空の力線/Leyline of the Void》とか置かれても良いようにメインに墓地活用しないカードが欲しかったんや!
 《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》も一緒に採用したから、墓地対策対策ができるようになったで!
 《ウーナ》たんみたいなkawaiiカードを入れたかったしな!
 あと《蟲の収穫/Worm Harvest》は絶対入れるべきだった!
 このデッキで勝つには《けちな贈り物》を通さなくちゃいけない!
 たとえば《けち》で《収穫》と土地3枚、あるいは《収穫》、《消えないこだま/Haunting Echoes》、《永遠の証人/Eternal Witness》、《不敬の命令》とか持ってこれたら対コントロールは勝ったも当然だろ常識的に考えて!
 相手の《ミシュラの工廠》を《相殺》で守られて《燻し/Smother》を打てない時がグランプリであった!
 《収穫》があればそんな事もなかっただろ! 
 もし入れとけばもう3ゲームくらい取れてただろ後の祭り的に考えて!

・対コンボ用に《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》を入れといた!
 ANT用には《否認/Negate》と《生の躍動/Lifeforce》(マジでマジで)を入れようかとまで考えた!
 手札破壊が足止めになるけど、問題は《むかつき/Ad Nauseam》で引かれてヤラれちまう事だ!
 《苦悶の触手/Tendrils of Agony》をデッキからブッコ抜いちまうか、《むかつき》をカウンターするくらい思いつかなかった!

・このリストはまだまだ改善の余地があるけど、サイドに関しては自信を持ってる!使わなかったカードがなかったし、対戦相手全部に過不足なくカードを用意できてた!
 《威圧/Dominate》をサイドに入れて《ミシュラの工廠》やら《タルモ》やら《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》やらをパクろうかと思ってたけど、目論見通りいくかどうかわからなかったし、何よりスペースがなかった!
 《悪魔の布告/Diabolic Edict》は《墓忍び/Tombstalker》を止めるために必要だったし、クリーチャー除去の追加用スロットは削れないね!

・《行き詰まり/Standstill》はキツいね!どうしても壊さなくちゃなんねーし、向こうが有利な場で出されたらこっちには取れる手段が無いからなおさらだ!
《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》を3枚目の《工廠》にしようかと思ったくらいだ!
《極楽鳥》を《思考囲い/Thoughtseize》に変えとけば出されてもワンパン入れられるね!

私はこのデッキがかなり気に入ってるけど、少しの変更でもっと良くなったと思う!
近いうちに改良したバージョンで大会に出て、今度は良い結果を報告できるようにするよ! 


トーナメントは大盛況だった!《金属モックス/Chrome Mox》のプロモで参加費の元は取れたので、ウィザーズにしてはナイスプレー賞だ!
日曜日にヴィンテージの大会があったけど、せっかくシカゴに来たんだし前から行きたかったシカゴ美術館に行ったんだ!
でも私の見たかった近代美術と現代美術のコーナーは改修で休みだった!残念!
絵を写真に撮ろうと思ってもカメラを持ってる奴らが一緒に写ってしまうのを我慢しなくちゃだし、いつまでたっても人が途切れなかったからイライラしちゃったYO!
IKEAでシャンパングラスを買えたから悪いことばかりじゃなかったけどね!


トーナメントのトップ8にも触れておこう!
新しいデッキもあれば古いのもあるね!
《自然の秩序/Natural Order》で《大祖始/Progenitus》を出すデッキは決勝ラウンドに残れなかったけど、《大阻止》にヌッ殺された人はかなり多くいたみたいだ!
レガシー随一の脅威、《タルモゴイフ》はトップ8中6つのデッキにフル投入されてた!
この結果はあれだ!考えさせられる結果ではあるけれど、私は禁止するほどじゃないって思う!
Brian Sixがトーナメント前に、どんなデッキだろうと《タルモゴイフ》が使えるんだから《タルモ》を使う、って言ってたので覚悟はしてたんだけどね!
Brianが結果を残せてよかったよ!
サイドに入れるんだったら《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》よりも《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》の方がいいって提案したのは私なんだから、《法学者》が役に立ったのなら私に小切手をくれても良いと思うんだよね!
まぁトップ8プロフィールで私のことを書いてくれたんだから、こっちもいくらか渡さなくちゃいけないんだろうけど!
Nassifのサイドボードにも一言!
15種類サイドを見てオラスッゲーわくわくしたけど、そうしなくちゃいけない理由があったのか面白半分だったのかは判んないぞ!

お次は黒緑デッキだ!
《Hymn to Tourach》が決まるとゲームに勝てるらしいってのは、GPフィラデルフィアのPikulaとかGPコロンバスでのBill Starkとかを思い出させるね!
最近のレガシーではあんまり見ないけど、《暗黒の儀式/Dark Ritual》からの《Hymn》はいまだに強いよ!
《Hymn》を打ってクリーチャーが殴る時間を作るってのは、ドラゴンストンピィ/オールイン・レッドといった《古えの墳墓/Ancient Tomb》を使う赤いデッキに通じるものがあるし、実際ドラストがトップ8に一人残ったことからも戦略としてはありみたいだね!
Top16にフェアリーが残るって予想したので、ウィザーズがデッキリストを載っけてくれれば私の批評眼が正しいかどうかわかるね!

イベントが終わる頃に会場に戻ったんだけど、Andy Probascoが決勝に残ってたのはすんげー嬉しかったよ!
Andyは私の知ってる中でも一番のナイスガイだし、プレイングがほぼ完璧に近いんだ!
もしイベント内容が印刷されて結果が判っていたとしても、彼のプレイは全部読みたいくらいだからね!

決勝は《相殺》デッキのミラーマッチだったね!
結局この週末は《相殺》に彩られたみたいだ!
《相殺》は2日目進出デッキの20%を下らないだろうし、話を聞いた著名プレイヤーのほぼ満場一致で最高の2マナ呪文に選出されてたよ!
悲観論者が《相殺》か《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》、あるいはその両方を禁止にすべきだって言ってるけど狂気の沙汰だね!
灰色に近い灰色って所だろうけど、DCIは正しい判断をしてくれると信じてるよ!

アメリカ中西部人としては、Wizardsと草の根大会にはもっとこの地域でレガシーの大会をやって欲しいね!
遠くまで行かなくてもレガシーをできるし、そのことを記事に書けるからね!


そんじゃまた来週!

Doug Linn




今度はほんとにおしまい!
原文:http://www.starcitygames.com/magic/legacy/17284_Legacys_Allure_The_Merfolk_Breakdown.html

今週はレガシーの最新デッキ、マーフォークを分析していこうと思う。
人魚たちは数枚の新しい強力なカードによってそのアーキタイプを一線級にひきあげられ、ここ最近のトーナメントに出没してくるようになった。
今週の記事は統計好きな君向けのものだ。
というのも世界中のトーナメントでトップ8に入ったマーフォークのリストを集めてそれらに使われているカードを分析し、フランケンシュタインを作るように”正しい”マーフォークデッキをお披露目するからだ。
私が選んだデッキリストは2009年に25人以上のトーナメントでトップ8に入っているものなので、今でも通用する、結果を残したリストばかりだ。
条件に沿うリストは27にのぼる。

これまでほとんどプレイされなかったマーフォークだが、レガシーではいわゆるアグロコントロールとしてお目にかかる。
彼らは1ターン目に《呪い捕らえ/Cursecatcher》か《霊気の薬瓶/AEther Vial》を出し、2ターン目に《変わり谷/Mutavault》と《行き詰まり/Standstill》を置いてくる。
君が2ターン目に《闇の腹心/Dark Confidant》をプレイしても、向こうはカードを3枚引き《目くらまし/Daze》で打ち消してしまう。
《呪い捕らえ》でこちらの《目くらまし》は押さえられてしまい、《アトランティスの王/Lord of Atlantis》で強化された《変わり谷》が殴ってくる。
ゲームが終わり、”クズ人魚”デッキに負けて君は恥じ入ることになる。


まずはマーフォークデッキに使われるクリーチャーを見ていく事にしよう。
後ろの数字はデッキに入れている人数/リストの総数だ。

《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》  27/27
《アトランティスの王/Lord of Atlantis》 27/27
《呪い捕らえ/Cursecatcher》 27/27
《銀エラの達人/Silvergill Adept》 27/27
《航跡の打破者/Wake Thrasher》 18/27
《高潮の戦士/Tidal Warrior》 18/27
《冷淡なセルキー/Cold-Eyed Selkie》 7/27
《タルモゴイフ/Tarmogoyf》 7/27

最初に注意を惹かれたところは、ローウィン以降の新しいマーフォークがほとんどって事だ。
これは最近のセットがレガシーにおけるマーフォークデッキを蘇らせたという点で、とっても喜ばしい事だね。
《呪い捕らえ》は印象に残るほどのカードじゃないけれど、対コンボの手助けになるし《霊気の薬瓶》から出てきて重いスペルを打ち消したりする。
長らく1マナ域を担当してきた《マンタ・ライダーズ/Manta Riders》よりもいいカードだろう。
《銀エラの達人》は普通のカードだが、マナカーブを滑らかにしてくれるしカードも引かせてくれるのでまぁ許容範囲だ。

2体のロードはマーフォークを一線級のデッキに押し上げた原動力だ。
《アトランティスの王》は人魚たちの王らしく島渡りを配下達に与えて、レガシーに跋扈するでっかいクリーチャーたちにブロックされて死ぬ心配をしなくて済む。レガシーにおけるマーフォークの存在理由であり、デッキの最重要カードだ。
《メロウの騎兵》も素晴らしいカードだ。実際にスペルをプレイしなくちゃいけないので(《薬瓶》じゃ駄目だよ!)そのタップ/アンタップ能力はほとんど自分のターンにしか使えないだろうけれど、島を使っていない相手の厄介なブロッカーを寝かせることができるんだ。
この2体の組み合わせがマーフォークの速さと力強さを支えており、世界中で4枚ずつ使われているのは当然だろう。

《高潮の戦士》が1デッキに平均3枚使われているのには正直驚いたよ。
こいつは《王》の恩恵を受けられる1マナクリーチャーで、相手の特殊地形を手際よく黙らせる。
起動して自分自身を強化した《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》を《島/Island》にできるし、《コーの安息所/Kor Haven》や《Maze of Ith》を役立たずにして《Tropical Island》から緑マナを出せなくする。
サイズ的には物足りないけど(ほとんどのマーフォークはそうなんだけどね)、相手の展開を遅らせるている間に他のカードを輝かせることができるんだ。

《航跡の打破者》も広く使われており、大抵のプレイヤーはデッキに2枚入れている。
ゲームが長引くと《打破者》は毎ターン8/8位になって決定打となり得る。
《騎兵》と同じように、場に出ているのなら相手は致死量のダメージを覚悟しなくちゃいけない。
マーフォークは全体的に低マナに寄せており、《変わり谷》が攻撃に行ったり《不毛の大地/Wasteland》で相手の土地を壊したりでマナが足りなくなったりするので、《打破者》は2枚が適正だろう。

《タルモゴイフ》と《冷淡なセルキー》を《行き詰まり/Standstill》の代わりに使用しているリストもいくつか見受けられる。
《タルモゴイフ》は言うまでも無いカードだが、多くのプレイヤーはサイドに《基本に帰れ/Back to Basics》を取っているので、《Tropical Island》を入れるよりは青いエンチャントを使ったほうがいいように思う。
マーフォークはお値ごろなデッキでもあるので、他のフォーマットのプレイヤーでも簡単に組めるし、カード資産的な観点からも《Tropical Island》はお勧めしない。
必要以上にデッキを拡張することは無いね。
《冷淡なセルキー》は面白半分に試されているみたいだ。
ロードのどちらかが場に出ているのなら《セルキー》は自分の能力を最大限に活用できるだろうが、大抵のプレイヤーはデッキに《セルキー》のためのスペースを作りづらいか、普通に《行き詰まり》を使ったほうがいいと感じるだろう。


次はマーフォークデッキでよく使われるサポートスペルだ。
《Force of Will》 27/27
《目くらまし/Daze》 27/27
《行き詰まり/Standstill》 23/27
《もみ消し/Stifle》 16/27
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》 10/27

《Force of Will》と《目くらまし/Daze》(と《もみ消し》)が、マーフォークにおけるカウンターの核ということに異論は無いだろう。
《呪い捕らえ/Cursecatcher》が多少でも評価を受けるのは、《目くらまし》と一緒に使われることによって相手のマナ計算をめちゃめちゃにし、テンポとカードアドバンテージをマーフォクプレイヤーにもたらしてくれるからだ。
ほぼ全てのプレイヤーが《行き詰まり》を採用している。
基本的に《行き詰まり》は、対戦相手に望まないタイミングで呪文をかけるよう強制するか、あるいはこちらの攻撃を妨害しないようにしてくれる。
ゲームの序盤に《薬瓶》か《変わり谷》、《高潮の戦士》等から続くと相手への圧力を高められる上に、(《行き詰まり》で)こちらがカードを引く可能性も高まる。
序盤の強さとは裏腹に、マーフォーク側の展開が遅れている時に引いてもあまり役には立たない。

《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》を使うリストも複数存在する。
マーフォークが《十手》を装備するのはより大きなクリーチャーに立ち向かえることを意味し、《墓忍び/Tombstalker》や《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》に対する切り札となる。
《十手》はクリーチャー除去の影響を受けないロードとも言えるので、そんなに一般的でない事が不思議だ。


今度は土地とマナ加速に目を向けよう。

《霊気の薬瓶/AEther Vial》 26/27
《不毛の大地/Wasteland》 23/27
《変わり谷/Mutavault》 22/27
《島/Island》+フェッチランド無し 15/27
《島/Island》+フェッチランド 12/27

《霊気の薬瓶》にカウンターが2つか3つ乗っていると、《王》か《騎兵》を瞬速で場に出せるので戦闘を有利にでき得るし、相手にとっては戦闘時の計算が厄介になる。
《変わり谷》用のマナは残しておけるし、マナ不足を心配せずに《不毛の大地》を使える。
しかも《Force of Will》と《相殺/Counterbalance》を無視してクリーチャーを出せる。
もう一枚の《薬瓶》が場にあるとか、何かしらの理由が無い限りカウンターは2から増やさないほうが良い。

《変わり谷》と《不毛の大地》は平均すると3枚ずつ使われていた。
どちらを入れるにしろ4枚入れていたプレイヤーがそんなにいなかったのは興味深い。
察するに青マナを出せない土地が2枚並ぶのに抵抗があったんだろう。
多くはフェッチランドを採用していなかったが、《渦まく知識/Brainstorm》を使っていないので、デッキ圧縮の恩恵を受けるよりもライフ損失を重大に感じていたようだ。
5人のプレイヤーがデュアルランドを使っていないのにフェッチランドを使っていたが、《もみ消し》に対して弱くなるだけだと思う。
《島》の枚数は、《島》だけの平均値は13枚、フェッチランド併用時は7枚、《Tropical Island》(平均3枚使用)と一緒の時の《島》は4枚だ。


上記の結果から以下のリストを作り上げた。

http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=28180

次にサイドボードに良く使われている(とはいっても明らかに選択肢は少ないが)カードを見ていこう。
一般的なのは以下の通り。

《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》 23/27
《青霊破/Blue Elemental Blast》/《水流破/Hydroblast》 19/27
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》 13/27
《基本に帰れ/Back to Basics》 13/27
《残響する真実/Echoing Truth》 10/27
《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》 6/27

ほとんどが対ゴブリン/バーン、対ドレッジでコントロール用のカードがいくらか、といった所だろう。
《遺産》は主なターゲットである《壌土からの生命/Life from the Loam》デッキとドレッジの他に、《タルモゴイフ》を小さくし《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》に土地再利用をさせなくする。
青いデッキに対しては《アトランティスの王》による島渡りで十分だと感じるので、対コントロール用のカードはそんなに入れなくてもいいように思う。
マーフォークはメインから対コンボ使用となっているため、対コンボ用カードは含まれていない。(10年とちょっと前、アカデミーだらけの環境でLabarreが残した成績を思い出してほしい)
《基本に返れ》はマーフォークの猛攻を遅らせようとする《相殺》デッキに対して効き目があるだろう。
一方で《残響する真実》と《梅澤の十手》はマーフォークよりも速いデッキをこちらのペースに引き込むためのものだ。

サイドボードは以下のようにした。

4 《水流破/Hydroblast》
3 《基本に帰れ/Back to Basics》
4 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《残響する真実/Echoing Truth》
2  メタゲームスロット


他に《プロパガンダ/Propaganda》、《方向転換/Divert》、《不忠の糸/Threads of Disloyalty》、《精神支配/Mind Harness》、《寒け/Chill》などが見受けられた。
これらはあまり強そうに見えなかったので、もし私が何か入れるとしたら《もみ消し》の追加か《海の歌姫/Seasinger》を選ぶだろう。

マーフォークはプレイが簡単で覚えやすく、安価に組めるデッキだ。
その汎用性から、レガシーでの地位を確立するだろう。
私は自分のテスト用デッキに加えたし、皆も同じように備えることを勧める。
マーフォークはトーナメントのTOP8に確実に一人はいるだろうが、1位を取っているのはほとんど見なかった。
これはレガシー固有の多様性か、あるいはロームやサバイバルといったデッキに対する弱みを反映しているのかもしれない。

私はマーフォクデッキに2つの小さな改善を加えた。
1つは《航跡の打破者/Wake Thrasher》を最大限に活用することだ。
多くのリストは《島/Island》を多めにとっているので、1枚を《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》に変えても問題はないだろう。
《水面院》は自身をアンタップすることができるので、《打破者》が場に出ているのならば、事実上青い《炎のブレス/Firebreathing》として使うことができる。
わずかに《不毛の台地》に弱くなるが、ほぼ100%《変わり谷》に向けられるので気にする事はない。
緑のデッキにおける《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》のようなものと考えてほしい。
もし《川の案内者、シグ/Sygg, River Guide》か《川の殺し屋、シグ/Sygg, River Cutthroat》を使うのなら、少しだけ役に立つ機会が増える。

2つ目の変更点はメインに《鏡編み/Mirrorweave》を2枚加えたことだ。
スタンダードからロード8枚のデッキに《鏡編み》を入れる有用性を拝借してみた。
以下のようなシナリオを想像してほしい。
スレッショルドとの対戦中で今は4ターン目だ。
相手の《タルモゴイフ》に対し、君は《呪い捕らえ》・《高潮の戦士》・《銀エラの達人》で攻撃した。
当然《銀エラ》がブロックされるが、ここで《鏡編み》で《タルモ》をコピーすればクリーチャを失わずに済み、最低でも8点のダメージを与えられるだろう。
《鏡編み》は《タルモ》を《銀エラ》にして、緑色の憎い奴を場から取り除くこともできる。
同じように《大祖始/Progenitus》や《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》も小さくできる。
もしロードを含む3体のクリーチャーがいたら12点のダメージソースとなり、4体なら20点だ。
ロードがいなくても2体のマーフォークを《墓忍び》にしてゲームを終わらせたり、《変わり谷/Mutavault》をコピーして相手の攻撃を《濃霧/Fog》に巻くことだってできる。
《鏡編み》はデッキの戦略に複雑性と意外性を与えるので、マーフォークをスターダムへ押し上げる一因になるかもしれない。
マナを《変わり谷》の起動よりも《鏡編み》に使う方がいいのかどうかには自信が持てないので、もし誰か試してくれたのなら感想をありがたく聞かせていただくよ。

今週のジョークレスな記事に付き合ってくれてありがとう。

そんじゃまた来週。バイバイキン。

Doug Linn


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